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円急落よりマズい「円弱体化」が進む日本の末路 多くの国民の生活水準が腐食しかねない

東洋経済オンライン / 2024年5月2日 8時0分

残念ながら、円安は日本が期待したような輸出ブームをもたらさなかった。それどころか、過去13年間のうち10年間は貿易赤字だった。対照的に、日本は1994年から2010年まで毎年貿易黒字を計上していた。日本の製品は非常に革新的で高品質だったため、プレミアム価格をつけることができたのだ。

短期的に円の価格を決めるのは日米金利差

短期的に円の動向を左右するのは日米金利差だろう。金利差が大きければ大きいほど、投資家は日本からアメリカや他の国へ資金を移動させる。そのためには円を売らなければならず、円の価値は下がる。過去3年間で、金利差の上下は、円/ドルの価値の上下のほとんどを説明できる。

比較的小さなサプライズが、金融市場に急激かつ大きな変化をもたらすことはよくある。ほんの数カ月前まで、投資家はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が今年3回の利下げを行い、日本銀行はさらなる引き締めを行うと予想していた。そうなれば金利差は縮小しただろう。

しかし、アメリカのインフレはあまりに頑強なので、FRBは利下げをまったくしないかもしれないし、一部のトレーダーは利上げさえするかもしれないと懸念している。

一方、日本銀行は4月26日、多くの投資家が予想していたように、国債購入ペースを引き下げないと発表した。その結果、日本の長期金利は予想以上に高くなるだろう。

これらすべてを合わせると、金利差は少し前に投資家が考えていたよりもはるかに大きくなる。この組み合わせは、4月26日と29日に円を暴落させた。今日の大きなリスクは暴落ではない。それは、財務省がすべてを「投機筋」のせいにすることで、根本的な原因を見失ってしまうことだ。

リチャード・カッツ:東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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