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「飽和するコンビニ」に成長余地が残っているワケ 店舗数は微減となっているが、狙える次のニーズ

東洋経済オンライン / 2024年5月17日 11時40分

(撮影:今井康一)

大手コンビニの2023年度決算は、セブン&アイ・ホールディングスの営業利益、ファミリーマート、ローソンは事業利益が過去最高益となり、各社ともに順調な業績と報じられている。

【画像でわかる】20年前と比べてコンビニの店舗数はどう変わったのか

コロナ期には、都市部の人流が大きく落ち込んだ影響で、コンビニ各社も業績が停滞したが、コロナ収束とともに回復してきた人流、インバウンド需要等にも後押しされて、売り上げが順調に伸びた。

各社ともに商品・サービスの拡充には余念なく、平均日販(店舗あたり一日あたり平均売り上げ)を順調に伸ばしており、3社ともコロナ前である2019年度の数字を上回っている。

極めて順調にも見えるが、これはコロナ禍を乗り越えたということであって、コンビニ各社に安堵感はあまりないだろう。「国内コンビニ市場飽和」という大きな課題を乗り越えるのはこれからだから、である。

コロナ前にはコンビニ店舗数の伸びが鈍化

国内コンビニ市場は順調に拡大を続けてきたものの、コロナ前には店舗数の伸びが鈍化し、2019年度には初めてマイナスに転じたことで、市場の拡大にも陰りが見えていた。

その後のコロナ禍による落ち込みがわかりにくくしているが、コンビニの出店余地が少ないことは間違いないだろう。コンビニ本部とフランチャイズ加盟店の争議が頻発し、問題視した公正取引委員会が調査に乗り出し、コンビニ本部に改善要請したのも、この頃のことだ。

コンビニの出店余地が乏しくなっているにもかかわらず、各社が出店を継続したことによって、加盟店間でのカニバリが厳しくなったことが背景にあり、こうした経緯を踏まえて、コンビニ本部は事実上、既存店に対する配慮を欠いた新規出店を控えざるをえなくなった。

その後、コンビニの店舗数は全体として横ばい、微減での推移となっている。最近は日販の向上に依存した成長に頼っている、というのが現状である。

【2024年5月17日14時00分追記】初出時、表の一部に謝りがあったため修正しました。

コンビニ市場拡大は店舗数増加が牽引

国内コンビニ市場拡大の経緯を振り返れば、その主たる成長要因は店舗数増加にあったことは、データで見ればすぐにわかる。次の図は、コンビニ販売額、店舗数、店舗あたり売り上げを、1999年を100として、長期時系列推移を見たものだ。店舗あたり売り上げも拡大してはいるものの、店舗数の増加が牽引して大きくなってきたことは明らかであろう。

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