AV新法改正求めるシンポジウムに女性議員も出席 「女性がセックスワークの選択肢持ってもいい」
よろず~ニュース / 2024年4月4日 22時53分
シンポジウムに出席した(左から)浜田聡参院議員、樽井良和元衆院議員、堀場幸子衆院議員、要友紀子氏、宇佐美典也氏、平裕介弁護士、坂井崇俊氏、守如子関西大教授、星乃莉子、二村ヒトシ氏=都内
AV出演被害防止・救済法(AV新法)の改正を求めるセクシー女優や業界関係者の団体「AV産業の適正化を考える会」が4日、都内でシンポジウムを開催した。
シンポジウムにはAV監督の二村ヒトシ氏、セクシー女優の星乃莉子らがパネリストとして出席。政界からNHKから国民を守る党の浜田聡参院議員、日本維新の会の堀場幸子衆院議員、国民民主党の樽井良和元衆院議員が出席。立憲民主党の川田龍平参院議員も、リモートで参加した。
AV新法は、施行後2年となる2024年6月の見直しが規定されている。同法をつくった関係議員は①性行為映像制作物の公表期間について「○年以内」としなければならない旨の規定を設ける②性交を実際に行う、いわゆる本番行為の撮影を内容とする契約のあり方について検討を行う、などとしている。
一方、AV産業の適正化を考える会は、同法で規定された撮影禁止期間(1カ月)や公表禁止期間(4カ月)の〝1カ月・4カ月ルール〟など過度の規制が多様な働き方を妨げ、憲法22条の「職業選択の自由」に基づく「営業の自由」に反すると指摘している。
制度アナリストの宇佐美典也氏は、AV新法制定の過程を振り返り「18歳、19歳のAV出演取り消しの可能性について、立憲民主党が成人年齢引き下げに伴う問題点として質問したもの。このことは適正AVの方針、当時は18歳、19歳はAVに出さないという方針とかみ合って、良い提案といいますか、規制を守らない人たちにも網がかかるような法規制の提案があった」と説明した。
宇佐美氏は「自民党と公明党が全年齢を対象とするという形で大きさの幅が広がって、そのまま可決した。きょうシンポジウムに出てこない自公の方々が、全年齢を対象としておかしくなった。立憲民主党をスケープゴートにしているのが現状。自民と公明の方々にも、彼らがそういう制度を作ったんだから、きちんと向き合って法改正していただきたいと思っている」と名指しした。
また、業界の自主規制「適正AV」のルールを策定したAV人権倫理機構が、3月末で解散したことを受け「これからはポスト適正AVというものがどうあるべきか議論しなければいけないフェーズに来ている」と指摘した。
女性議員から唯一の出席となった堀場氏は「(AV新法が)パパッと決まってしまった印象がある。セックスワークというものを仕事や労働としている、そして職業選択の自由として、女性がそういう選択肢を持ってもいいんじゃないかということも非常に強く思っている。さらなる法改正、ブラッシュアップをしていくことができれば」と述べた。
セクシー女優の星野は「本当に、私たちの業界を知らないような人たちからの職業の決めつけというところで(活動が)制限される。本当に真剣に取り組んでいる人たちすら、被害者だと決めつけてしまうところにすごく悲しいというか、尊厳を害されているという気持ち。人生を左右されるような法律。人生だったり、尊厳を本当に左右したり壊す可能性があるってことを考えてもらいたい」と訴えた。
同法が可決、成立した2022年6月15日の参院本会議でただ一人反対し、一貫して法改正の必要性を訴えている浜田氏は「当初、国会議員は私一人だけで、正直国会で動くというのは数が必要。なかなか厳しいかなと思っていたんですけど、シンポジウムにも国会議員が複数出ている。少しずつ国会も動いている」と、手応えを感じていた。
(よろず~ニュース・杉田 康人)
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