【財務省】34年ぶりの円安水準でデフレ脱却戦略に暗雲
財界オンライン / 2024年5月1日 11時30分
外国為替市場で一時、1ドル=153円台に突入し、円安が34年ぶりの水準まで進んだことで、デフレ脱却実現を目指す政府の戦略に暗雲が垂れ込めてきた。円安が続けば物価高に直結するだけに、経済の好循環実現に向けて、鈴木俊一財務相の手腕が問われそうだ。
4月12日の閣議後会見で鈴木氏は、153円台まで下落した円安の日本経済への影響について「輸入価格の上昇を通じて国内物価を上昇させる意味では、企業や消費者にとって負担増になるマイナスの影響も生じる」と指摘。経済や家計に与える影響を分析した上で「マイナス面を最小化できるよう適切に対処していく」と強調した。
また、鈴木氏は「行き過ぎた動きに対し、あらゆる手段を排除することなしに適切に対応を取っていきたい」とも述べ、円安が進めば為替介入も辞さない考えを示した。
今回の円安進行は、米国で高インフレが想定外に続いて利下げが遅れるとの見方が広がり、米ワシントンでの日米首脳会談をにらんだ投機筋が仕掛けたとされるが、日米金利差が今後縮小しなければ円安基調が続くかもしれず、そうなれば政府・日銀にとっては誤算だろう。
今春闘では主要企業だけでなく、人出不足を背景に、高水準の賃上げを予定する中小も多い。だが、財務省幹部は「今の円安水準では中小は相当厳しい。これ以上円安になれば、賃上げムードは吹っ飛びかねない」と警戒する。
6月に「誰も本当はやりたくなかった」(主税局中堅)定額減税を実施して所得増効果をかさ上げしても「物価高を上回る賃上げ」(岸田文雄首相)を多くの国民が実感できるかは不透明だからだ。政府肝いりの減税の旗振り役である鈴木氏にとって、為替の動向次第でさらなる対応が求められそうだ。
望月晴文・元経済産業事務次官 「日本にはヒト・モノ・カネの要素が全部揃っている」
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