訪問薬局展開:HYUGA PRIMARY CAREをウオッチし続けたい理由
財経新聞 / 2024年4月7日 16時50分
HYUGA PRIMARY CARE(東証グロース。以下、ヒューガプライマリー)。在宅訪問薬局(きらり薬局)事業が基軸。2024年2月1日に新規開設した地元:福岡県の28店から、東上作戦(佐賀県1、千葉県7、神奈川県6、東京2)を進行中。
在宅訪問調剤薬局は、薬剤師が患者の自宅・入居施設を訪ね処方箋に基づいた医薬品を届け、服薬指導などを行うサービスを展開。
調剤薬局と言うと病院の「門前薬局」のイメージが強いが、きらり薬局は異なる。有料老人ホーム/ケアハウス/サ高住など高齢者向けの施設と、密に連携が取れる立地重視が特徴。全国の調剤薬局にあって、在宅訪問業務を展開する店舗は3割未満。ヒューガプライマリーはこの事業だけで、総売上高の約6割を占めている。
2021年12月20日に上場。公開価格2600円に対し、初値は3640円で生まれた。昨年4月の1:2の株式分割等を勘案すると調整済み株価パフォーマンス(時価2000円余/年初来高値ゾーン)は2年半余りで10%超も、本稿作成時点の時価(2001円)に対しIFIS目標平均株価は3500円とパフォーマンス向上を示唆している。
創業者で現社長の黒木哲史氏は起業間もない、こんな自らの体験を披露している。正月にモルヒネ坐剤を処方し訪問した患者は末期がん。看取りに立ち会う結果となった。
ご主人は「他の薬局は殆ど閉まっていた。困った。貴方が薬を持ってきてくれなければ妻は、人生の最後を痛みに苦しみながら死んでいた。本当に有難う」と言い、号泣した。「私も号泣していた。以来、24時間365日対応の医療介護が自宅で安心して受けられる社会を当社を通じて世の中の当たり前にしたいと改めて強く思うようになった」としている。
収益動向は順調。上場後初の決算となった2022年3月期の「13.7%増収、127.5%営業増益、238.1%最終増益」に続き前期も、「15.1%増収、2.2%営業増益、16.6%最終増益」。そして今3月期も「19.6%増収(79億5900万円)、36.1%営業増益(7億2100万円)、29.7%最終増益(4億9600万円)」計画。
そして業態の拡大にも着手している。例えば「ひゅうが」ブランドの看護師・介護士24時間365日対応の、2施設を開設。ICT導入による見守りサービス(プライマリーケアロボット)を展開。入居者に「体温・心拍・血圧・血中酸素」を常時自動測定するデバイスを装着。入居に通常に比べ異常値が検知されれば、スタッフに通知される。
ウオッチする企業が、また1社増えた。
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