日本でも普及のきざし 自動運転特集

人が自動車の操作をせずとも自動で走行できる自動運転機能は、ここに来ていよいよ実用化から普及へと向かいつつあります。この夏日本でも、大手メーカーが自動運転機能を搭載した普及型モデルを送り込み、一般にも普及のきざしが見えてきました。自動運転の歴史、そしてメリット・デメリット。また各メーカーの取り組みの状況を紹介します。

[写真] 自動運転技術で渋滞のストレスを低減!新型「セレナ」発売 / Walkerplus

自動運転とは?

(写真:ZUU online)

「自動運転技術」は、ドライバーを必要とせず、車そのものが自律的に走行する、いわゆる「完全自動運転」の姿を究極の形にしている。将来的には自動車自身が走行環境を認識し、全自動での走行を目指している。
「安全運転支援システム」は、運転を部分的に自動化し、交通事故の危険が迫った時、制御システムがドライバーの操作に介入する仕組みでドライバーの認知・判断・操作といった運転操作を補助する機能

国内・国外各自動車メーカーの自動運転技術取り組み

日産

(写真:@DIME)

速度は任意に設定できるし、先行車が完全に停止した場合、こちらもそれに合わせて自動的に停止する。先行車が走り出した時には、ハンドル上のレジュームスイッチを押せば、こちらも再び追従運転に入る。高速道路での連続運転や渋滞などで、ドライバーの負担を大幅に軽減してくれる。
日産は2018年に高速道路で車線変更でき、2020年には一般道も走れる自動運転車の投入を目指しており、今回は、これに向けた第1歩という位置付けだ。

(写真:インターネットコム)

自動運転技術「プロパイロット」を初搭載する。まずは「高速道路の単一レーン」という限定した環境でのみ使える。

日産の自動運転技術「プロパイロット」

(動画:日産の自動運転技術「プロパイロット」 - 日産自動車株式会社 / Youtube

ボルボ

(写真:PR TIMES)

「Drive Me プロジェクト」は、ボルボの自動運転車で、一般ユーザーが公道を走る初めての実証実験

(写真:Forbes JAPAN)

自動運転システムが原因で衝突事故が発生した場合などには、OEMやその主要サプライヤーが責任を負うことになる可能性が高い。そして、その際には透明性と、システムがどのように作動していたかに関する知識を双方が持っていることが不可欠で、システムに関する信頼性と安全性に全面的な責任を負う姿勢を示さない限り、実際に市場に打って出ることができないかもしれない。
フォード

(写真:clicccar)

人が運転に関与せず、ハンドルやアクセル、ブレーキペダルが無い自動運転車を2021年までに実用化する計画を発表
ベンツ

(写真:IGNITE)

「ドライブパイロット」は、特に混雑時や高速道路での渋滞の際にドライバーにかかる負担を大きく軽減するシステムで“完全自動運転”にさらに近付いたとされる。
「アクティブエマージェンシーストップアシスト」は、走行中にドライバーが気を失うなど万が一の場合に、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止するシステムを世界で初めて搭載する。

DRIVE PILOT

(動画:DRIVE PILOT - Mercedes-Benz original - Mercedes-Benz / Youtube

ジャガー・ランドローバー

(写真:Autoblog JP)

このテストは4年を掛けて行われる予定で、まずは車両と車両の間および車両とインフラの間をつなぐ通信システムや、ステレオカメラ・システム、自動運転のソフトウェアなどから始める
ゼネラル・モーターズ(GM)

(写真:Forbes JAPAN)

アイデアは素晴らしかったものの技術面の備えが不十分で、機が熟さないうちに市場に出してしまった。
路上のドライバーが自動運転に切り替える際の適切な物理的インターフェイスを実現できなければ、自動運転車は人間が運転する車よりも危険なものになってしまう可能性がある
アウディ

(写真:clicccar)

大型サルーン「A7」をベースにzFASと略称する最新鋭プロセッサーが内蔵されており、各センサーが得た情報をリアルタイムで分析して状況を正確に把握した上で、先の状況を予想し、次の動作を的確に導きだす

(動画:Audi A7 piloted driving concept: Selbstversuch im Forschungsauto Jack - Audi Deutschland / Youtube

BMW

(写真:ZUU online)

ハラルト・クルーガーCEO自らが全自動運転車を次のステップと見なし、「世界1の自動運転車メーカーを目指す」という野望のもと開発に踏み切り、「i Next」と名付けられたBMW初の全自動運転車は、軽量でデザインも一新される予定

今年3月7日の創立100周年記念イベントで展示されたコンセプトモデル“BMW VISION NEXT 100”

(動画:The ideas behind the BMW VISION NEXT 100 - BMW / Youtube

自動運転技術の期待と課題

(写真:clicccar)

国交省をはじめ、経産省、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、自動車技術会、JASICなどが参画しており、政府としては日本の技術を背景とする国際基準を「世界標準」とすることで、国際競争力を高めたい考え。

(写真:弁護士ドットコムニュース)

自動運転車用の電波発信機を併置。保険制度の改革と事故が起きたときの民事・刑事上の責任

(写真:FUTURUS)

自動車は人の命を乗せる道具である。「人間は常に生身である」ということをメーカーはどれだけ考慮しているのか、それを見極めることも重要になってくる

(写真:FUTURUS)

「挑戦的だなとは思いますね。いくら責任は全面的にシステムを使う側であるドライバーにあるとしても、今日の技術レベルで自動運転という感覚をユーザーに持たせるだけの度胸と覚悟はまだウチにはない。その点、ゴーン(日産社長)さんはやっぱり肉食系なんだなと」

(写真:clicccar)

政府は「日本再興戦略」改訂2015において、「完全自動走行の早期の実現を目指す」 としており、自動運転を「完全自動走行」(レベル4 )から、システムが要請した場合のみドライバーが対応する「準自動走行」(レベル3 )、システムが複数の操作を同時に行う「準自動走行」(レベル2 )、システムが単独操作を行う「安全運転支援」(レベル1 )の4段階に分類しています。

(写真:Forbes JAPAN)

「人々は車が自分でスピードを調整し、自動走行することに慣れつつある。自動運転車は10~15年で社会に普及して行くだろう」

テスラの自動運転事故関連

(写真:NewSphere)

米運輸省が6月30日、5月7日にフロリダ州で自動運転中の「モデルS」と大型トレーラーが衝突、モデルSに乗っていた男性が死亡したと発表した。
問題なのは、テスラが“運転支援システム”にすぎない「オートパイロット」を“自動運転”と呼んでいたこと、そして運転支援システムの“思想性”をないがしろにしてきたことの2点である。

(写真:Autoblog JP)

先月初旬に行われた自動運転車の技術に対する認知度の調査で1,500人の米国人が回答し、5月7日に起きたジョシュア・ブラウン氏の死亡事故の6週間前の調査で、この技術を知っている回答者は71~76%だったのに対し、81~85%に増え、この技術に対する関心減ったのは3%だけ

(写真:ITmedia ニュース)

オランダ中部の町バールンで9月7日、米Tesla Motorsの電気自動車「Model S」が木に激突して炎上し、運転していた53歳の男性が死亡した。

(写真:AFPBB News)

5月に起こった自動運転中にトラックと衝突して運転者が死亡したフロリダ(Florida)の事故に言及し、このソフトウエアがあれば「道路を横切る大きな金属製の物体」を識別できたはずで、運転者の命が救えた可能性は「非常に高い」と述べた。