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若者が課題解決「野菜で作る“食べる唇パック”」を考案

Entame Plex 2024年3月4日 16時40分

ADKグループは、若者と一緒に若者を研究し若者を動かすためのアイデアを開発する、ADK若者マーケッター集団「ADK若者スタジオ(以下、ワカスタ)」によるマーケティングアイデアコンテスト『ワカスタビジコン2023』を2月23日に開催。今回は、その決勝大会の様子をレポートします。

本コンテストでは、参画企業が実際に抱えるマーケティング上の課題をテーマに、ビジネスアイデアを全国の大学生・大学院生から募り、155チーム517名の頂点が決定しました。参画企業は、カゴメ株式会社(以下、カゴメ)、東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)、株式会社ジェーシービー(以下、JCB)の3社です。

カゴメ部門では「若者が気軽に野菜を食べられる環境にするための仕掛け」、東京メトロ部門では「ワカモノの中で『メトポ』を流行らせるような仕掛け」、JCB部門では「ワカモノに『初めてクレジットカードを作るならJCBブランド』と思ってもらえる仕掛け」という課題が出され、それぞれの部門で優秀賞チームが選ばれました。

<カゴメ部門・優秀賞>
課題:若者が気軽に野菜を食べられる環境にするための仕掛け
ラッテ(中央大学、明治大学、金城学院大学)
波多野鈴夏、森崎成海、小池梨紗子
企画:食べるコスメ「PAKKUN」



チーム ラッテは、20代女性の野菜摂取量不足を解消するため、野菜の摂取を義務感ではなく「+αで?べる存在」や「欲しいからたくさん?べる存在」にしたいと提案。そこで、女子大生が義務感ではなく、+αとしてたくさん買っている“コスメ”に目を付け、野菜で作られた“食べるコスメ”「PAKKUN」を考案しました。

本商品は野菜の成分によって作られた唇パックで、乾いた唇に貼って唇の保湿ができる上に、使い終わった後はそのまま食べることができるというもの。唇パックに注目した理由に、「見た目のインパクトが強く、映える(=SNSでシェアしたくなるビジュアル)」「フィルター機能に飽きた若者たちの間で、顔を直接デコるのが流行っている」「SNSに『唇パックが美味しそう・食べてみたい』という意見が多数上がっている」を挙げ、売り場やプロモーションのイメージも具体的に立案。さらには、実際に「PAKKUN」を自宅で制作し、会場にも持参して披露することで、商品化が不可能ではないことを証明しました。チーム ラッテは、会場に訪れた人たちの投票によって決まる「オーディエンス賞」も受賞。審査員だけではなく、ビジコンに関わる学生たちからも高い評価を集めました。

<東京メトロ部門・優秀賞>
課題:ワカモノの中で「メトポ」を流行らせるような仕掛け
SEAGIRLS(早稲田大学)
田村柚乃、富井かん菜
企画:LINE公式アカウント「東京メトロ社員 メト郎」



チーム SEAGIRLSは、まず、今回の課題である「メトポ(=PASMOで定期券区間外の東京メトロ線に乗車すると、乗車日数や回数等に応じてポイントを進呈するサービス)」について、「ワカモノは、ポイントでは動かない」と主張。そんな若者世代、特に「(単位を取得し通学の頻度が落ちたことで)定期券を所有しておらず、電車で週3回以上移動する人が80%以上いる大学4年生」をターゲットに、新サービス「LINE公式アカウント『東京メトロ社員 メト郎』」を提案しました。

本サービスは、「メト郎」というおじさんのキャラクターが、遊ぶ場所を決める際に180の駅の中からおすすめの場所をLINEで教えてくれる&チャット内で「メトポ」の登録も促してくれるというもの。本当は新しい駅を開拓してみたいが、特定の駅を提案すると何か意図があると思われてしまいそうで提案しづらいため、遊ぶ場所が偏るために、「とりま渋谷」となりがちな若者世代。そのような「駅マンネリ化問題」を解消したい若者のニーズを解説し、本サービスの隠れた需要の高さについて語りました。ほかにも「メトポ」登録後に利用できるサブ機能も紹介。「メトポ」利用者を増やすという本来の目的も併せて達成できることをアピールしました。

<JCB部門・優秀賞>
課題:ワカモノに「初めてクレジットカードを作るならJCBブランド」と思ってもらえる仕掛け
底面積×高さ×3分の1(東洋大学、高崎経済大学、聖心女子大学大学院)
工藤怜、日影舘優歌、安藤穂乃佳
企画:SNSアプリ「JCB Memory」



チーム 底面積×高さ×3分の1は、JCBカード利用者の80%が高校卒業~大学1年生までに初めてカードを作っていることに触れた上で、約50%の学生が、大学入学時に友達作りや金銭管理などへの漠然とした不安を抱えていたという調査結果を発表。そこで、友達のありのままの日常を知ることができ、かつ、簡単に生活上の支出を記録できるサービス「JCB Memory」を提案しました。本サービスは、JCBカードで決済を行うと5秒後に撮影画面が起動し、購入したものやそれにまつわるものを撮影。その写真が購入したものの金額とともに、半強制的に繋がっている友達へ共有されるというもの。あえて半強制的に公開することで「限界大学生(=充実した大学生活を自虐風にアピール)」「匂わせ(=異性と遊んでいることを写真でアピール)」などに代表される「『自ら発信するのは恥ずかしい』でも『本当は見せたい』」という学生の心理を突き、学生の間でブームを起こせると解説しました。ほかにも、「限界大学生」を自称する大学生は生活の充実ぶりを遠回しに伝えようとしているという仮説から、利用金額の上限に近づくほどカラーの彩度が変化してモノクロ風になっていくなど、ユニークなサブ機能についても紹介しました。


さらに今回、本コンテストの実施に伴い、参加者の現役学生を対象に、インターンシップの経験や仕事を選ぶ際に重視していること、就活に対するスタンス、希望の勤務スタイル、最近のCMや広告について思うことなどについて調査を実施。イマドキの学生たちのリアルな考え方が分かる結果となりました。



アンケート結果によると、インターンシップに参加した経験がある学生は約7割いました。参加理由には、「その企業の仕事や社風を知りたかったから(47.2%)」、「その企業の就職選考に有利だから(23.2%)」が多く挙がりました。選考を考えている企業の内情を知る機会として、また内定への近道としてインターンシップを活用している学生が多いようです。

次に、自身が通う学校の学生がビジコンに出場する平均回数を尋ねたところ、「1回(38.2%)」と回答した人が最多でした。一度は経験したことがある人(1回以上を回答した人)は6割以上おり、ビジコンの経験を積んでいる学生は比較的多いことが分かりました。



仕事・企業を選ぶうえで重視することをランキングにすると、1位は「やりがい(29.6%)」でした。2位は「業務内容(22.0%)」、3位は「人間関係(10.8%)」で、意外にも「給与(9.1%)」はトップ3には入らない結果に。

『ワカスタビジコン2023』に参加する学生のうち、マーケティング業界を志望する学生にその理由を聞いたところ、やはり「やりがいを感じる(46.9%)」に最も票が集まりました。他にも、「商品やサービスの良さを発信できる(16.0%)」や「色々な人に会える(13.6%)」といった魅力を感じているようです。



これまで一般的だった終身雇用も、最近は当たり前ではなくなってきました。今の学生は、新卒で就職した会社で働き続けるのか、それとも転職する前提で就職するのか、どのようなスタンスで就活をするのでしょうか。調べてみると、「転職するつもり(11.3%)」「おそらく転職する(45.2%)」を合わせて過半数の学生が、転職前提で就活をしていることが分かりました。また、理想の新卒初年度の年収を聞くと、平均で387.1万円でした。



新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、多くの企業で取り入れられた在宅勤務制度。出社勤務か在宅勤務で、勤務スタイルはどちらを希望するかを調査しました。その結果、約6割が「出社・在宅の日が半々(59.7%)」を希望しており、折衷案が一番人気でした。「在宅勤務」はたった2.7%で、「出社勤務」が37.6%と、出社勤務を希望する人の方が多いことが分かりました。

<理由>
■出社・在宅の日が半々(59.7%)
・ワークライフバランスを重視しているから。(大学1年生)
・リアルで人間関係を構築したうえでオンラインを用いて自由に働きたい。(大学3年生)
・在宅の方が効率的に作業できる場合はそうすべきだし、社員と直接的なコミュニケーションがプラスに働く場面では出社すべきだと思うから。(大学3年生)

■出社勤務派(37.6%)
・直接交流した方が、コミュニケーションを円滑に行うことができるため。(大学3年生)
・在宅勤務だとオンとオフの切り替えが難しいため。(大学3年生)
・上司、同輩、部下と仲良くなりたいから。(大学3年生)

■在宅勤務派(2.7%)
・在宅の方が時間を有効に活用できると思うから。(大学4年生)
・通勤や対人関係のストレスをより感じることなく働けるから。(大学2年生)
・都内で働きながらも地方に住む等、居住地の選択肢が広がるため。(大学4年生)



最後に、マーケティング活動の結果、展開される「CM」や「広告」についても調査。すると、最近のCMをつまらないと感じている学生、最近の広告に若者の感覚とズレがあると感じる学生は、どちらも6割以上に上りました。

今のCMや広告は、若者たちのニーズをうまく拾いきれていない実情が見て取れました。企業のマーケティング活動の中に“学生にしか持てない視点”を取り入れていくことが、今後重要になりそうです。

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