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【海外発!Breaking News】ステージ4のがんと闘うシングルマザー「5歳娘と一緒に残りの人生を前向きに生きる」(英)

TechinsightJapan 2018年10月11日 9時13分

まだ幼い子供を抱えたシングルマザーが、ステージ4のがんを宣告されたら…。その胸中は察することすら難しい。しかし32歳の母親は「残りの日々を前向きに生きよう」と決意し、Facebookでも自身の病を打ち明けた。がんと真正面から向き合うこの母親の強さや勇気に多くの人がインスパイアされ、現在サポートのために母親と5歳の娘に寄付金が集められている。『Manchester Evening News』などが伝えた。

英グレーター・マンチェスターのストックポート郊外に住むベッキー・ジェイコブスさん(32歳)は、これまで子宮頸がんを発見するための細胞診検査“パップテスト”を定期的に受けてきた。だが今年に入って痛みを感じるようになり医師の診察を受けたところ、子宮頸部上部が珍しいがんに罹っていることがわかった。

最初、医師はベッキーさんが訴えた痛みをストレスに関わる胃潰瘍だと思ったようだ。ベッキーさんは2017年に暴力的だったパートナーと別居して、5歳の娘マイラちゃんをひとりで育てている。しかしスキャン検査で子宮頸がんと判明、その後ベッキーさんはマンチェスターにある病院「The Christie(ザ・クリスティー)」で、辛い抗がん剤治療や化学療法を何か月も受けた。

医師らは子宮頸部のレモンサイズほどの腫瘍を取り除くことに成功したが、9月初めにがんが脊椎や骨盤、リンパ節に転移していることがわかり、ベッキーさんはステージ4と宣告された。ベッキーさんにとって、一番気がかりなのはやはり5歳になったばかりのマイラちゃんのことである。自分の病のことを周りにも隠したままにするのは嫌だと、Facebookでも病気のことをオープンに綴ったベッキーさんは、まだ幼いマイラちゃんにがんを理解させることは困難だと思い、ちょうど腫瘍の大きさがレモン大であったことから娘にはレモンのたとえを使って「ママのお腹には悪いレモンがあってね、具合が悪いからお薬を飲まなければならないし、病院にも行かなきゃいけないのよ」と説明したという。ベッキーさんはこれまでの心境を次のように話している。

「最悪の事態が起こった時のことも、自分では準備できています。あと半年生きられるのか、6年の余命があるのかはわかりません。でも、いつも物事を否定的ではなく前向きに捉えて生きて行こうと思っています。だからFacebookでも隠さずに病のことを打ち明けました。みんなには心配せずに接して、と伝えました。私ががんをオープンにしたことで、周りのみんなも自分の人生を見つめなおす機会を得たようです。」

しかし一時期は治療が辛く、家から外出できないほど疲れ切っていたこともあり、マイラちゃんとのお出かけや旅行を中止せざるを得ないこともあるという。それでもできるだけ娘との時間を有意義に過ごしたいと、ベッキーさんは日々マイラちゃんとの時間を楽しむようにしている。

「具合が悪ければ、その日はゆっくり休養を取るようにします。そうすれば、娘を迎えに学校まで行けます。何が起こっても、娘には毎晩学校の本を読み聞かせて、いつもの時間通りに寝かせます。娘は強くて優しい子なので『ママはどうしてベッドから出られないの?』と言って私の背中を優しく撫でてくれるでしょう。でも、マイラにはできるだけ具合が悪いところを見せたくないと思っています。私にとって最優先すべきは娘ですから。」

現在、母親と継父の家があるストックポートの郊外にあるブラムホールで暮らしているベッキーさんは、5歳のマイラちゃんが母親といつも一緒にいたがる年齢であることを十分に理解しており、だからこそ今年の夏休みはマイラちゃんとの時間をめいいっぱい楽しむために2人でギリシャへ旅行に行き、イギリス中をキャンプして回った。

マイラちゃんが通うレイディーブルック小学校の母親らは、がんを受け入れて向き合うベッキーさんの強さと勇気に大きくインスパイアされた。そしてベッキーさんに最期の日が訪れるまで、できるだけ多くの思い出をマイラちゃんと一緒に作れるようにと10月4日、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』アカウントを作成し、バケットリスト費用を募ることにした。ベッキーさんのバケットリストの中には、クリスマス前のラップランドへの旅やベルサイユ宮殿への訪問も含まれているそうだ。

ベッキーさんは、温かくサポートしてくれる友人たちや治療中の自分を支えてくれている病院スタッフ、がんサポートセンタースタッフなどに対して「感謝してもしきれない」と感激の言葉を口にし、最後にこのように語った。

「私を失ってしまった後、たとえ娘の人生に悪いことが起こってしまっても、私と過ごした楽しく幸せな時間を思い出して、乗り越えて行ってほしいと思っています。がんになって、自分は思っていたよりももっと多くの前向きな気持ちを学びました。それが自信に繋がっています。この先、私にはどれほどの時間が残されているのかわかりませんが、今はただその時間を精いっぱい生きていくだけです。」

画像は『Manchester Evening News 2018年10月8日付「‘I don’t know how long I have left’... the mum with stage 4 cancer making the most of every minute with her daughter」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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