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やはり「9週の壁」は超えられなかった…覚悟はできていたはずなのに

OTONA SALONE / 2024年4月14日 21時30分

40歳元ファッションスタイリストの子宮頸がん闘病記。子宮頸がんになるまでの経緯や治療法、その時々に思ったことや女性としての生き方などを包み隠さず綴ります。

 

8週に入っても赤ちゃんの心拍ができないことから、流産確定と思われた私の妊娠。

しかし、インドネシア人医師の診断により、「胎嚢がきれいに丸く成長しているから、流産という決断をするのは時期尚早だと思う、流産手術前にもう一度確認しよう」ということになったのです。

本来、妊娠9週であれば、可愛らしい赤ちゃんの体つきがエコーで確認できる週数。本当に最後の望みをかけて、超音波検査を行うことに。

【子宮頸がん日記#17】前編

残念ながら、からっぽだった赤ちゃんの袋

確かに胎嚢は大きく丸く成長していました。私のお腹もふっくらし始めていたので、当然ともいえます。

きれいに丸くなった胎嚢内のがらんとした空洞が目立ちます。素人目で見てもそこに赤ちゃんがいるようには思えませんでした。

 

当然のごとく、インドネシア人医師も赤ちゃんを確認できないという判断を下しました。

私はきっとそうだろうとは思っていたので、特に驚くでも悲しむでもなく現実を受け入れることができました。心の準備は出来ていたので。

 

成長し続ける胎嚢。赤ちゃんがいないので、いずれ成長は止まりますが、時期はわからないとのこと。

自然に排出されるのを待つ自然流産では、大量出血を伴う可能性もあるということで、かねてから予定していた稽留流産手術を行うことになりました。

 

バイバイ赤ちゃん。インドネシアで稽留流産手術

稽留流産手術は、子宮内にあるものを専用の器具を使って掻き出すという簡単な手術ですが、全身麻酔をするとのこと。私が全身麻酔をするのは、おそらく初めての経験。

 

ドラマとかでよくある、手術台の上で数字を数えていつの間にか意識を失う……みたいなのをやるのだと思い、それならば私は意識をできるだけ飛ばさないように100くらいまで数えてやる!と、無意味な決意をします。

 

麻酔科医が登場し、「これから麻酔入れるね〜」と言われ、「私、酔っぱらっていません!」とでも言うかのように、意識を集中させます。

「ゆっくり数を数えてね」と言われるかと思い準備していたのに、気が付いたら手術は終了。

 

どうやらバリでは、会話をし続けることで意識の有無を確認するシステムのよう。

全身麻酔との戦いは惨敗。

たかだか5分10分ほどの全身麻酔ですが、なんだかぐっすり眠れた日の寝起きのような不思議な気分。

 

麻酔でまだ意識が朦朧としていたのか、なぜか「子宮から摘出したものを見たい」と言った私。

先生や看護師さん、彼の困惑した顔が見えました。

 

「今回のケースでは赤ちゃんもいなかったし、あえて見るようなものじゃないよ」と言われたとき、なぜか涙が止まらなくなり、普段は人前で泣いたりしない私が泣きじゃくってしまいました。

 

私は今36歳だし、確率的には流産してもおかしくはない。誰にでも起きることだし、しょうがないことだよね、と思い続けていました。

不安でしょうがないのに、彼の前では冷静を装って平気なふりをしていました。でも、本当は彼に不安をぶちまけたり、泣いたりしたかったのかもしれません。

▶▶【後編を読む】「もしかして流産の原因は子宮頸がん予備軍だから?手術が私にもたらした代償とは?」

 

≪執筆者・がんサバイバー・ヨガ指導者 Tomomiさんの他の記事をチェック!≫

 

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