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資産運用で注目!「iDeCo(イデコ)」のメリットと注意点

JIJICO 2019年7月15日 7時30分

イデコは自分で運用できる「私的年金」

老後は年金以外に2,000万円は必要という金融庁の報告書が物議を醸していますが、実際問題として年金だけでは老後の生活は難しいということで、資産運用があらためて注目されています。

節税しながら資産運用ができるメリットが注目されている個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。2017年に改正されより多くの方が使える制度となり、FP相談の場でお客様にご質問いただく機会も増えました。そこで改めて、「iDeCo」の制度はどういったもので、そのメリットと注意することは何なのかをまとめました。

「iDeCo」は、公的年金にプラスして給付を受けられる私的年金のひとつです。公的年金(国民年金や厚生年金など)との一番の違いは、自分で運用できること。自分で掛金を拠出し、自ら運用方法を選んで、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることができます。また、掛給付を受け取る時には税制上の優遇措置が講じられています。

イデコの仕組み

自分で選んだ運用商品で毎月積立を行い、積み立てたお金は60歳以降に、年金または一時金として受け取ります。掛金の上限は加入区分に応じて異なり、会社員やその扶養者は原則として月2万3,000円まで。自営業者は月額6万8,000円までです。

イデコのメリット

1)加入対象者の幅が広い
2017年から加入者の範囲が拡大され、元々は自営業者など一部の方のみが加入できる年金だったのが、原則20歳以上60歳未満の全ての方が対象に。公務員も加入できるようになりました。

2)3つの税制優遇メリット
1.積立金額すべて「所得控除」の対象で、所得税・住民税が節税できます
2.運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」になります
3.年金か一時金で受取方法を選択でき、年金の場合は「公的年金等控除」、
 一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります

3)掛金は少額から自分で決められる
月々5,000円から始められ、掛金額を1,000円単位で自由に設定できます。資金に余裕のない方でも、ご自身のライフスタイルに合わせた無理のない負担で老後に備えることができます。

利用する際の注意点1:積み立てたお金は60歳まで引き出せない

積み立てたお金は原則として、60歳まで引き出せません。また、積立期間が短いと60歳になってもすぐに引き出せないといった側面もあります。ですから、以下の方は注意が必要です。

・大きな支出を伴うライフイベントが控えている「現役世代」
「iDeCo」で積み立てたお金は、子どもの教育費やマイホームの購入費など、現役時に必要なお金に充てることができません。引き出しや解約が可能なNISAの制度を活用するなどそのほかの方法で資産形成を行うか、「iDeCo」は「老後資金専用」とすることをおすすめします。

・60歳まであとわずか!「50代後半」の方
「iDeCo」への積み立ては60歳未満までで、積立期間が短いと60歳から引き出すことができません。

利用する際の注意点2:「終身年金」での受取りができない

・女性(男性以上に長生き)
日本の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳(平成29年簡易生命表)と、女性のほうが男性に比べ長生きです。
なぜそのことが「iDeCo」の利用に最適ではないかというと、「iDeCo」が「終身年金」での受取りができないからです。現在60歳の女性の平均余命は28.97歳(平成29年簡易生命表)ですので、5年以上20年以下の間に年金を受け取る「有期年金」である「iDeCo」以外の備えもあると良いでしょう。

・自営業者・フリーランスの方
会社員の方の終身年金が国民年金・厚生年金と「2階建て」なのに対し、自営業者・フリーランスの方は国民年金だけの「1階建て」です。ですから、「2階建て」の年金をもらうには自力でカバーする必要がありますが、「iDeCo」は「終身年金」での受取りができないので不十分と言えます。

利用する際の注意点3:選べる投資信託の数が少ない

「iDeCo」は定期預金、保険商品、投資信託が選べますが、「iDeCo」で選択できる投資信託の数はまだまだ少ないといえます。限られた中から選ぶことになりますので、ご自身で納得のいく投資先を選んで運用したいと考える方にとっては少し物足りなさを感じるかもしれません。

(今村 浩二/ファイナンシャルプランナー)

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