Infoseek 楽天

メラニア夫人が手つなぎ「拒否」、トランプは弱っている?

ニューズウィーク日本版 2017年5月24日 19時32分

<外遊中に2度、手をつなごうとしたトランプ米大統領をメラニア夫人が「拒否」した動画が話題になっている。トランプといえば力強い握手を得意としてきたはずなのに、何があったのか......>

中東・欧州歴訪中のドナルド・トランプ米大統領。食事やダンス、服装など、初外遊のささいな出来事までニュースになっているが、それ自体は珍しいことではない。バラク・オバマ前大統領の時も、来日時に抹茶アイスを食べたことを日本メディアがこぞって取り上げたことがあった。

それでもこれは、いささか意外な"ささいな"ニュースだ。

5月23日にイスラエルのテルアビブに降り立った際、歩きながらトランプが手をつなごうと差し出した左手を、妻メラニアが払いのけたように見える場面があり、動画が世界中に拡散して話題になった。

LOL! Melania in Tel Aviv is as MISERABLE, as Melania in the U.S. Watch her push away the CREEP's hand. PRICELESS This guy is DISGUSTING! pic.twitter.com/lhR1JdTi1m— Voice of Reason (@raggapegs) 2017年5月22日


その翌日、今度はイタリアのローマで専用機エアフォースワンから降りようという場面でも、トランプが差し出した右手をメラニアがさっとかわし、結局2人は手をつながないままタラップを降りている。

Trump and Melania arrive to Rome AF1 pic.twitter.com/JjXzgM6Ox3— Daniella Diaz (@DaniellaMicaela) 2017年5月23日


トランプの手を払いのける妻、いったい何があったのか――と話題になったわけだが、理由は不明だ。トランプ夫妻は歴訪中、何度も手をつないでおり、大したことではないかもしれない。

テルアビブの一件に関してCNNは、ネタニヤフ首相夫妻が手をつないでいないのを見て、今つなぐのは不作法だとメラニアが考えた可能性を挙げている。ローマに関しては、意図的に避けたのではなく、風が吹く中で、単にタイミングよく髪をかきあげただけのようにも見える。

ただし、ローマの一件に関連して米ニューズウィークは、トランプがいつも階段を降りる際に慎重なことに言及。CNNが以前、70歳になるトランプが「階段恐怖症」ではないかと報じたことがあり、1月にホワイトハウスでテリーザ・メイ英首相と手をつないだ時も、小さな階段がある場所だったと書いている。

であればメラニアは、「階段恐怖症」の夫がまさに助けを必要としている場面で、なぜ冷たい仕打ちをしたのだろうか。トランプは1人で慎重にタラップを降りる羽目になったではないか。

【参考記事】米中ファーストレディのファッション対決、軍配はどちらに

現時点では推測するしかないが、冒頭で「いささか意外」と書いたのは、トランプの手はこれまで、彼の力強さを印象づけることが多かったからだ。

トランプは男性と握手する際、相手の手を強く握り、自分のほうにグイッと引き寄せる傾向がある。握手で自分のペースに持っていくような仕草で、2月に日本の安倍晋三首相が訪米した際には19秒もの長く力強い握手をした。

一方、カナダのジャスティン・トルドー首相は、ホワイトハウスで出迎えたトランプとの最初の握手の際、左手を素早くトランプの肩に置き、相手のペースに飲み込まれるのを防いで、カナダ国民からSNSで賛辞を浴びた。

【参考記事】カナダ人はトランプよりトルドーを支持...とは限らない



トランプに解任されたFBI(米連邦捜査局)のジェームズ・コミー前長官にも、似たような経験がある。ニューヨーク・タイムズによれば、コミーは友人のベンジャミン・ウィッテス(ブルッキングズ研究所上級研究員)に、トランプとのこんなやり取りを語っていたという。

1月、大統領就任直後のことだが、法執行関係者らが集められたホワイトハウスの一室でのこと。FBI長官として大統領と親しくなるべきでないと考えていたコミーは、できるだけ目立たないよう部屋の隅に立っていた。終わりまでトランプに名前を呼ばれないよう願っていたというが、結局、見つかってしまう。

「ああ、それからジムだ」とトランプ。「彼は私よりも有名になった」

仕方なくコミーは、部屋を横断してトランプの元へと歩いていくが、せめてハグはされないようにしようと考え、自ら手を差し出してトランプと握手をした。しかしその瞬間、トランプがグイッと長身のコミーを自分のほうに引き寄せ、結局ハグをする羽目になった。



今回、トランプの手に"反旗を翻した"のは、12年連れ添った妻だ。何が理由なのか真相はわからないままだが、ひとつ言えるのは、トランプのいつもの力強さが見られないことだろう。



【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル! ご登録(無料)はこちらから=>>


ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

この記事の関連ニュース