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バロン君、初めてのホワイトハウス暮らしは天国?地獄?

ニューズウィーク日本版 2017年6月12日 18時15分

<トランプが大統領に就任した後もニューヨークのトランプタワーに留まっていたメラニアとバロンのホワイトハウス暮らしが始まった。プールや映画館付きで普通の子供には楽園のようでも、トランプタワーのワンフロアを自室として使っていたバロンには?>

メラニアとバロンがホワイトハウスにやって来た。

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ドナルド・トランプが1月に大統領になってから、これほど長い間ホワイトハウスに引っ越さなかったファースト・レディと「ファースト・ボーイ」は2人が初めて。それが6月11日に遂に引っ越し。メラニアとバロン(11)はニューヨークのトランプタワーにある自宅を離れ、これからはホワイトハウスでトランプ大統領と共に暮らすことになる。

Looking forward to the memories we'll make in our new home! #Movingday pic.twitter.com/R5DtdV1Hnv— Melania Trump (@FLOTUS) 2017年6月12日

(「新しい家で思い出をつくるのが楽しみ!」 ホワイトハウスの公式ツイートで)


歴代大統領には皆子供がいたが、男の子がホワイトハウスにやってくるのはジョン・F・ケネディ大統領の時以来だと、CNNは伝える(ケネディ以降の大統領に息子はいても、既に独立していた)。

ボーリング場からプール、映画館まで何でもあるホワイトハウスは、子供にとっては楽園だ。ジミー・カーター元大統領の娘エイミーは木の上の家を持っていたし、ケネディ元大統領の娘で前駐日米大使のキャロライン・ケネディはマカロニという名のポニーを飼っていた。セオドア・ルーズベルトの娘アリスはペットの蛇を連れて歩き、ジョージ・W・ブッシュの双子バーバラとジェンナはサンルームの手すりを滑るのが好きだった。

バロンには住まいの格下げ

だが、子供たちは後々こぼしてもいる。エイブラハム・リンカーンの息子ウィリーは「いつも見られていていやだ」と言ったという。リンドン・ジョンソンの娘ルーシーはホワイトハウス暮らしの経験を「いかめしい博物館と、みんなが覗き込む金魚鉢と、刑務所に住むようなもの」と描写した(『White House for Kids: A History of a Home, Office and National Symbol』)

とくに、トランプタワーのワンフロアを自分の「部屋」として与えられていたバロンにすれば、ホワイトハウスへの引っ越しは格下げに相当すると、セレブサイトのタウン・アンド・カントリーは報じている。不満もひとしおかもしれない。

【参考記事】トランプファミリーの異常な「セレブ」生活

いずれにしろ、ホワイトハウスに住むのは「普通ではない。普通ではありえない」と、オバマ、ブッシュ両家の友人であるダグ・ウィードはかつてニューヨーク・タイムズ紙に語った。「どんなに努力しても、大統領の子には困難がつきものだ」



子供たちの経験はかなりの部分、親次第でもある。サーシャ・オバマとマリア・オバマがホワイトハウスに引っ越したとき、夜は8時に寝なければならなかった。母親のミシェルは娘たちにしっかり家事もさせた。「初めにスタッフに言った。ベッドメイクは私のだけにして、子供たちのはしないでって。子供はやり方を覚えなくてはならないから」

【参考記事】スカーレット・ヨハンソンが明かしたイバンカ・トランプの正体──SNL

大統領は大変な仕事だ。リチャード・ニクソンのように、執務室で寝泊まりするほど命を削った大統領もいる。だが、トランプは前例が通用する相手ではない。バロンはどんな暮らしをすることになるのだろう。

ホワイトハウス暮らしを始めるにあたり、ブッシュ家の双子が2009年に新たに入居してくるオバマの娘たちに残したアドバイスを読んでおくのもいいだろう。

「これから入る家は常に楽とは限らない」と、双子はアドバイスをする。忠実な友達を見つけてペットも飼おう。「あなたのパパが大統領だということを忘れないで」



ジュリア・グラム

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