<米司法省は機密情報の漏洩に関与した共謀罪で身柄の引き渡しを求めるが、イギリス側は「死刑」になる可能性があれば身柄は引き渡さないと言明>
内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジが11日、7年間保護されていたロンドンの在英エクアドル大使館で英警察に逮捕された。米司法省は同日、米軍の機密情報の漏洩事件に関与した疑いでアサンジの訴追を発表した。アサンジ側は、アメリカに身柄を送られ、最悪の場合には死刑にされるのではないかと恐れている。
英警察は、エクアドル政府がアサンジの亡命許可を取り下げ、アメリカが身柄引き渡しを要請したことを受けて、エクアドル大使館内でアサンジを逮捕した。
しかし英ガーディアンによると、昨年12月にラジオインタビューに応じたエクアドルのレニン・モレノ大統領は、英政府がアサンジに対して、アメリカなど死刑になる可能性がある国には身柄を引き渡さないと約束する文書を渡していたことを明らかにしている。
さらにイギリスのアラン・ダンカン外務閣外相(欧州・アメリカ担当)は11日、もしアサンジが死刑になるならアメリカに身柄を引き渡すことはないと発言した。
「もしアサンジが死刑にされるのなら、イギリスは身柄を引き渡さない。これはイギリスの基本的な政策でアサンジにも同様に適用される」と、ダンカンは英メディアの取材に語っている。
逮捕前には健康診断を
ロンドン警視庁の声明によると、英警察はアメリカ当局の代理としてアサンジを逮捕し、「すみやかにウェストミンスター治安判事裁判所に身柄を移される」ことになる。
サジッド・ジェイビッド英内相は議会に対する声明で、アサンジの権利と「正当な利益」が保護される、と語った。またアサンジ逮捕はエクアドル大使の指示の下で国際法に準拠して執行され、逮捕前には健康診断を実施し、また今後もアサンジは医療施設の利用が可能だと説明している。
アサンジと弁護団は、まずイギリスの裁判所でアメリカに身柄を引き渡すかどうかの審理に臨む。ジェイビッドはツイートで「(アサンジは)イギリスの正義によって正しく判断される。法に勝るものは何もない」とコメントした。
アサンジの弁護士ジェニファー・ロビンソンはツイッターで、米当局の令状によると、元米軍兵士でイラク戦争の機密情報や外交公電を大量に漏洩させたチェルシー・マニングとアサンジが共謀したという容疑になっていると明らかにした。
さらに米司法省は11日、アサンジの容疑について、米政府の機密文書や機密連絡に使われているネットワークに、マニングがパスワードを破って不法に侵入したことを手助けした共謀罪だと発表した。
司法省は、マニングがダウンロードした機密文書をウィキリークスに渡し、それが公開されたと見ている。
報道発表の中で司法省は、「マニングはパスワードを破り、自分のものではないユーザーネームでコンピューターにログインした。こうした不法な手法によって捜査当局が違法な機密漏洩の情報源を特定することはより困難になった。マニングとアサンジは共謀の間、機密情報の引き渡しに関して常に連絡を取り合っていた」と説明している。
さらに「アサンジはマニングにもっと情報を提供するよう働きかけた。マニングが『これが入手したすべてだ』と伝えると、アサンジは『私の経験では、好奇心の目が乾くことはない』」と返答した」と容疑の詳細を明かした。
「国際法違反」とウィキリークスは非難
アサンジは2012年、スウェーデンでの女性に対する性的暴行容疑で英警察に逮捕されたが、保釈中にアメリカへの身柄移送を恐れてロンドンのエクアドル大使館に亡命を求めた。現在残っている容疑の一部も2020年に時効になるが、アサンジが今スウェーデンに戻れば、事件捜査が再開される可能性がある。
約7年間アサンジを保護した後、亡命許可を取り消したエクアドルのモレノ大統領は「大使館内でのアサンジの態度に我慢がならなかった」とコメントしている。
ウィキリークスは、アサンジを逮捕させたエクアドルの判断が「国際法違反」だと主張した。「アサンジは1人の息子、父親、兄弟で、いくつものジャーナリズム関連の賞を受賞している」
シェイン・クラウチャー
内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジが11日、7年間保護されていたロンドンの在英エクアドル大使館で英警察に逮捕された。米司法省は同日、米軍の機密情報の漏洩事件に関与した疑いでアサンジの訴追を発表した。アサンジ側は、アメリカに身柄を送られ、最悪の場合には死刑にされるのではないかと恐れている。
英警察は、エクアドル政府がアサンジの亡命許可を取り下げ、アメリカが身柄引き渡しを要請したことを受けて、エクアドル大使館内でアサンジを逮捕した。
しかし英ガーディアンによると、昨年12月にラジオインタビューに応じたエクアドルのレニン・モレノ大統領は、英政府がアサンジに対して、アメリカなど死刑になる可能性がある国には身柄を引き渡さないと約束する文書を渡していたことを明らかにしている。
さらにイギリスのアラン・ダンカン外務閣外相(欧州・アメリカ担当)は11日、もしアサンジが死刑になるならアメリカに身柄を引き渡すことはないと発言した。
「もしアサンジが死刑にされるのなら、イギリスは身柄を引き渡さない。これはイギリスの基本的な政策でアサンジにも同様に適用される」と、ダンカンは英メディアの取材に語っている。
逮捕前には健康診断を
ロンドン警視庁の声明によると、英警察はアメリカ当局の代理としてアサンジを逮捕し、「すみやかにウェストミンスター治安判事裁判所に身柄を移される」ことになる。
サジッド・ジェイビッド英内相は議会に対する声明で、アサンジの権利と「正当な利益」が保護される、と語った。またアサンジ逮捕はエクアドル大使の指示の下で国際法に準拠して執行され、逮捕前には健康診断を実施し、また今後もアサンジは医療施設の利用が可能だと説明している。
アサンジと弁護団は、まずイギリスの裁判所でアメリカに身柄を引き渡すかどうかの審理に臨む。ジェイビッドはツイートで「(アサンジは)イギリスの正義によって正しく判断される。法に勝るものは何もない」とコメントした。
アサンジの弁護士ジェニファー・ロビンソンはツイッターで、米当局の令状によると、元米軍兵士でイラク戦争の機密情報や外交公電を大量に漏洩させたチェルシー・マニングとアサンジが共謀したという容疑になっていると明らかにした。
さらに米司法省は11日、アサンジの容疑について、米政府の機密文書や機密連絡に使われているネットワークに、マニングがパスワードを破って不法に侵入したことを手助けした共謀罪だと発表した。
司法省は、マニングがダウンロードした機密文書をウィキリークスに渡し、それが公開されたと見ている。
報道発表の中で司法省は、「マニングはパスワードを破り、自分のものではないユーザーネームでコンピューターにログインした。こうした不法な手法によって捜査当局が違法な機密漏洩の情報源を特定することはより困難になった。マニングとアサンジは共謀の間、機密情報の引き渡しに関して常に連絡を取り合っていた」と説明している。
さらに「アサンジはマニングにもっと情報を提供するよう働きかけた。マニングが『これが入手したすべてだ』と伝えると、アサンジは『私の経験では、好奇心の目が乾くことはない』」と返答した」と容疑の詳細を明かした。
「国際法違反」とウィキリークスは非難
アサンジは2012年、スウェーデンでの女性に対する性的暴行容疑で英警察に逮捕されたが、保釈中にアメリカへの身柄移送を恐れてロンドンのエクアドル大使館に亡命を求めた。現在残っている容疑の一部も2020年に時効になるが、アサンジが今スウェーデンに戻れば、事件捜査が再開される可能性がある。
約7年間アサンジを保護した後、亡命許可を取り消したエクアドルのモレノ大統領は「大使館内でのアサンジの態度に我慢がならなかった」とコメントしている。
ウィキリークスは、アサンジを逮捕させたエクアドルの判断が「国際法違反」だと主張した。「アサンジは1人の息子、父親、兄弟で、いくつものジャーナリズム関連の賞を受賞している」
シェイン・クラウチャー