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袴田巌さんの再審が静岡地裁で始まり注目されるなか…強まる“再審制度の法改正”に向けた動き(静岡~国会)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年3月12日 18時0分

袴田さんの再審=裁判のやり直しが2023年から静岡地裁で始まり注目を集めるなか、国会では再審法改正に向けた動きが強まっています。

(袴田 ひで子さん)

「こんなうれしいことはない。皆様方のお力添えでこうなっている」

国会議員らを前に声をふるわせ喜びを語る袴田さんの姉・ひで子さん。12日、都内で再審制度改正をめざす院内会議が開かれ、ひで子さんは再審請求人の一人として出席しました。

(袴田 ひで子さん)

「私たちの事件は57年前、私が33歳のときの事件です。その時はこんなえん罪事件は私たちだけだと思っていた。今でも大勢の方が苦しんでいる。巌だけ助かればいいという問題ではない。巌には自由はなかった、どうかいい方向に進んでほしい」

1966年、旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん。2023年10月から再審公判が開かれています。

弁護団が再審を求めてから、すでに40年あまり。再審に関する制度は、刑事訴訟法上に規定されていますが、70年以上、一度も改正されたことはありません。

刑事訴訟法は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」がある場合に再審を開始すると規定していますが、具体的な手続きは示されていないことから、袴田さんの審理の長期化にもつながっていると指摘されています。

こうした中、再審制度を改正しえん罪被害者の早期救済につなげようと、超党派の国会議員による議員連盟が発足し、11日、初会合を開きました。

呼びかけ人として、自民党の麻生太郎副総裁や立憲民主党の泉健太代表ら各党の幹部が名を連ね、すでに与野党から130人あまりの議員が参加を表明しているといいます。

12日に開かれた院内会議では、再審法改正に賛同する議員が思いを伝えました。

(無所属 平山 佐知子 参議院議員)

「審理の長期化を防ぎ無実の方の救済を妨げることがあってはならない」

(自民党 稲田朋美 衆議院議員)

「えん罪の無実の人が死刑になるのはあってはならないこと。ルールが全くない。すべて運用に任されているのは、絶対にやめるべきだと思っている」

(無所属 鈴木 宗男 参議院議員)

「生きている限り、あしき権力とは戦っていく」

一方、3月10日、浜松市中央区にある袴田さんの自宅では・・88歳の誕生日を迎えた袴田さんが支援者から花束やケーキで祝福を受けました。

(袴田 巌 さん)

「年は取らないということだね。健康のために動いていることは動いているんだね」

2014年、静岡地裁の再審開始決定とともに釈放されてから、2024年で10年。この決定を書いた当時、裁判長だった村山弁護士は、ようやく動き出した議論に手ごたえを感じています。

(村山 浩昭 弁護士)

「中身が具体的になり、変えなければという意欲が強く感じられたのは間違いない。ご高齢になっていく中で(再審法改正を)急がなければという思いは強い。今できることは、より多くの人に知ってもらい、整理したかたちでスピーディーに議論していくことだと思う」

再審制度の法改正をめぐる国会の今後の動きに注目が集まります。

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