菅氏が自民総裁選に出馬表明、「安倍政権の政策継承し前進させる」
ロイター / 2020年9月2日 19時3分
[東京 2日 ロイター] - 菅義偉官房長官は2日夕に会見し、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選に出馬することを正式に表明した。アベノミクスを含めた安倍政権の政策を継承、前進させると強調。大規模金融緩和を進める日銀との関係も、安倍首相の手法を引き継ぐと語った。
会見冒頭では雪深い秋田の農家で生まれ徒手空拳で横浜市議からたたき上げた半生を紹介。「地方を大切にしたい思いを胸に抱き政策を実行している」と強調し、安倍首相をはじめとした二世、三世議員との違いを際立たせた。
<首相辞任表明後に熟慮>
菅氏はこれまで公式の場で首相への意欲を一度も表明していないが、「この国難にあって政治の空白は決して許されない」として、出馬は「道半ばの首相辞任表明後に熟慮を重ねて判断した」と説明した。
政策面では「新型コロナ対策を最優先するのが務め」と強調するとともに、「安倍首相が全身全霊を傾けて進めてきた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために持てる力を尽くす」と述べた。
<状況みて金融政策「更にしっかり進める」>
政府・日銀が第2次安倍政権発足直後に結んだ政策協調を維持するかとの質問に対して「アベノミクスの成果で、経済が厳しい状況でも為替がドル円105円だ」と強調した。
金融政策の出口戦略を問われると、「今の(経済)状況では雇用を守るため、状況をみて金融政策を更にしっかり進める」とし、強力な金融緩和と財政出動を柱とする「アベノミクスはしっかり責任を持って前に進めていく」と明言した。
これまで菅氏が取り組んだ政策実績としては、携帯電話料金の引き下げを挙げ、今後も事業者間で競争が働く仕組みを徹底したいと語った。省庁の縦割りを廃した水害防止のダム放流も実績として披露した。
今後は、これまで注力してきた地方の活性化や、北朝鮮による日本人拉致問題の解決にも取り組む考えを表明。コロナ対策を念頭に「目の前の危機を乗り越え、少子高齢化や外交安全保障、とりわけ拉致問題、憲法改正など山積する課題に取り組む」と語った。
自民党内で検討されている敵基地攻撃能力の保有については、与党と議論して進めると述べた。
<森友「結論出ている」、政府は国民からの信頼必要>
安倍政権の負の遺産とされる森友学園・文書改ざん問題については、「財務省、検察の捜査も終わっておりすでに結論が出ている」との認識を示した。桜を見る会については「国会での指摘を踏まえ開催を中止し今後のあり方を見直している」と説明した。
同時に「国の基本は、『自助、共助、公助』だ。自分でできることは自分でやり、地域や自治体が助け合い、政府が責任を持って対応するという、国のあり方を目指すには、国民から信頼され続ける政府でなければならない」とも述べた。
*内容を追加しました。
(竹本能文、中川泉)
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