利下げ6月の可能性排除せず、データ次第=クリーブランド連銀総裁
ロイター / 2024年4月3日 4時51分
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は2日、連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの見方を維持しているが、利下げが可能かどうかを裏付けるデータをなお確認する必要があると述べた。2022年6月撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は2日、連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの見方を維持しているが、利下げが可能かどうかを裏付けるデータをなお確認する必要があると述べた。
6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定される可能性があるかどうかについては事前に判断しないとしつつも、「データ次第であることから、排除したくない」という考えを示した。
さらに、見通しを踏まえると、年内に3回の利下げは引き続き「妥当」ながら「拮抗した」予測とした。
この日の講演向け原稿では「インフレ率が2%に向けて引き続き鈍化傾向にあり、労働市場と経済成長が堅調さを維持しているため、経済が予想通りに進展すれば、私の見解では、連邦公開市場委員会(FOMC)が年内にフェデラル・ファンド(FF)金利の引き下げを開始することが適切になる」と指摘。利下げペースについては「経済が私の予想通りに進展すれば、金利を徐々に引き下げることができると予想している」とした。
また金融政策スタンスの緩和への道を開くためには、今後発表されるインフレデータが一段と鈍化するという自身の予測を満たす必要があると警告。これには時間がかかる可能性があるため「次回のFOMCまでに(利下げの)決定を下すのに十分な情報が得られるとは見込んでいない」とした。
メスター総裁は6月に退任する予定だが、現在FOMCでの投票権を持っている。
メスター総裁は、好調な経済により中銀には政策金利を変更する前にデータを検討する余地があるため、金融政策は現在良好な状態にあると言及。インフレ率は昨年よりは緩やかではあるものの引き続き鈍化すると予想した。一方で時期尚早な利下げに警鐘を鳴らした
「インフレが持続可能かつタイムリーに2%に戻る軌道にあると確信できる十分な証拠がないまま、金利をあまりに早く、あるいはあまりに急激に引き下げれば、インフレ対応でこれまで達成してきた進展を台無しにするリスクがある」とし、「現時点では、早期にFF金利の引き下げを開始することの方がより大きなリスクになる」とした。
このほか、今年の経済成長率予想を2%強に上方修正したと表明。労働市場では失業率が上昇する可能性が高いとした。またFOMCで長期的なFF金利の見通しをこれまでの2.5%から3%に修正したと明かした。
また、将来的に中立金利が「以前のような低水準になるとは思わない」という認識を示した。
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