米インフラ法案審議、大きな進展なく 修正案巡る議論続く
ロイター / 2021年8月4日 8時19分
米上院は8月3日、超党派による1兆ドル規模のインフラ投資法案を巡り2日目の審議を行った。与野党指導部が修正案の討議などを巡り言い争う中、法案の進展は緩慢なペースとなっている。写真は上院民主党トップのシューマー院内総務、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 3日 ロイター] - 米上院は3日、超党派による1兆ドル規模のインフラ投資法案を巡り2日目の審議を行った。与野党指導部が修正案の討議などを巡り言い争う中、法案の進展は緩慢なペースとなっている。
法案は可決が見込まれているものの、なお修正が加えられる可能性がある。上院民主党トップのシューマー院内総務と上院共和党トップのマコネル院内総務は、審議を進めるペースを巡って衝突した。
シューマー氏は記者団に対し「効率的に作業する必要がある」と述べた。
一方、マコネル氏は、シューマー氏が早期に審議を打ち切ろうとすれば、共和党は阻止するとけん制。「シューマー氏に対する最善の助言は、ゆっくりだが着実に進めれば勝つ、ということだ」と述べた。
法案を巡る過去数カ月間の交渉で共和党は、新規歳出分の財源を既存予算で賄うことを要求してきた。
民主党のキルステン・シネマ上院議員と共和党のロブ・ポートマン上院議員が公表した概要によると、新型コロナウイルス救済策の未使用分から2100億ドルが転用される。デルタ型変異株の感染が広がる中、公衆衛生の専門家からは、コロナ対策予算をインフラ投資に回すことに懸念の声も上がっている。
このほか、メディケア(高齢者向け公的医療保険)の処方薬に関する規制延期で510億ドル、一部の州による失業給付未使用分の返還で530億ドルを賄う。
シネマ、ポートマン両議員は、インフラ投資によって長期的に560億ドルの経済成長が見込まれるという米議会予算局(CBO)の分析に言及し、これも財源になると説明した。
3日午後の時点で、法案を微修正する3本の案が可決され、別の3本が否決された。あと何本の修正案が提出されるかは不明だが、それによって法案の採決が5日、もしくは週末にかけて実施されるかが左右される可能性もある。
共和党のマイク・ラウンズ上院議員は記者団に対し、超党派法案そのものを揺るがしかねない「ポイズン・ピル」のような修正案が、リスクになる可能性があるとの見方を示した。
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