米FRB、コロナ禍収束でも超緩和策維持=シカゴ連銀総裁
ロイター / 2021年1月5日 4時30分
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は4日、新型コロナウイルスワクチンの普及でパンデミック(世界的な大流行)は年内に収束に向かう可能性があるとしながらも、連邦準備理事会(FRB)は超緩和的な金融政策を維持すると立場を示した。昨年撮影(2021年 ロイター/Edgard Garrido)
[4日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は4日、新型コロナウイルスワクチンの普及でパンデミック(世界的な大流行)は年内に収束に向かう可能性があるとしながらも、連邦準備理事会(FRB)は超緩和的な金融政策を維持すると立場を示した。
エバンズ総裁は社会科学学会連合(ASSA)のオンラインイベントで行った講演で「責務達成とリスク管理に向け、FRBの政策スタンスはかなりの期間にわたり緩和的でなければならない」とし、「FRBが2つの責務の達成に取り組む中、超低金利とバランスシート拡大が維持される期間に用意を整えておく必要がある」と述べた。
米国の失業率は昨年11月時点で6.7%。インフレ率は何年にもわたりFRBが目標とする2%を下回っており、FRBが担う2つの責務達成にはまだ長い道のりが残されている。
こうした中、パウエル議長を含む他のFRB当局者も、超低金利政策と資産買い入れは継続されるとの見方を表明。昨年12月にFRBが公表した金利・経済見通しでは、大部分の政策担当者が2023年以降まで利上げはないとの見方を示したことが分かった。
エバンズ総裁はこの日の講演で「公衆衛生上の危機は今年、収束に向かう可能性がある」と述べた。
その上で、インフレ率を2.5%に押し上げることは、時宜を得た方法でFRBのインフレ目標を達成するために「重要」な過程になると指摘。「インフレ率を平均2%に押し上げるには何年もかかる公算が大きい。このことは、金融政策が長期にわたり緩和的に維持されることを意味している」とし、「これは、低金利が長期間にわたり維持され、現在の資産買い入れ策が継続されることを示している」と語った。
また、経済活動の回復と整合性が取れている場合、10年債利回りの上昇は歓迎すると表明。春にかけて回復の力学がどのように展開するか注視したいと述べた。
FRBの現行の政策スタンスについては「良い状況にある」とした上で、春までには資産購入プログラムを調整する必要性の有無やその方法について明確になると言及。「追加緩和が必要と判断すれば、購入資産の年限長期化や買い入れペースの拡大を行う可能性がある」とした。
一方で、経済が予想以上に大幅に成長すれば資産買い入れの必要性は低下するとしたほか、インフレ率が3%に向かえば政策スタンスの調整について協議するとした。
この記事に関連するニュース
-
FRB当局者、長期金利上昇の懸念打ち消し 静観の構え
ロイター / 2021年2月26日 6時14分
-
過度のインフレ高進、現時点でリスクではない=米SF連銀総裁
ロイター / 2021年2月17日 8時53分
-
FRB当局者、コロナ「集団免疫」なくても景気回復見通し変わらず
ロイター / 2021年2月12日 10時55分
-
米インフレ率は「低過ぎ」、超緩和政策の維持必要=シカゴ連銀総裁
ロイター / 2021年2月4日 8時40分
-
米FRB、ゼロ金利と量的緩和維持 完全に景気回復するまで継続
ロイター / 2021年1月28日 10時4分
ランキング
-
1ユニクロ「セルフレジ」で見覚えない商品を買いかけた... 体験談が拡散、広報に対策を聞いた
J-CASTニュース / 2021年2月25日 21時2分
-
2「100円ショップ」好調 売上高が過去最高を更新
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年2月25日 20時55分
-
3ドコモ、代理店に「頭金0円強要」で独禁法違反か 独自調査で判明、人気スマホが値下がりの背景
東洋経済オンライン / 2021年2月26日 8時0分
-
4「過去最大の赤字よりマズい」電通が五輪中止より恐れている"最悪のシナリオ"
プレジデントオンライン / 2021年2月25日 18時15分
-
5NHK、契約逃れに割増金=放送法改正案を閣議決定
時事通信 / 2021年2月26日 10時50分