ユーロ圏の銀行に不良債権処理で猶予の与え過ぎは誤り=ECB
ロイター / 2021年7月7日 8時20分
7月6日、ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は6日、ユーロ圏の銀行に不良債権処理で例外的な猶予を与えることは誤りである可能性があり、新型コロナウイルス禍で陥ったリセッション(景気後退)からの回復を遅らせかねないとの認識を示した。フランクフルトのECBで2018年3月撮影(2021年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 6日 ロイター] - ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は6日、ユーロ圏の銀行に不良債権処理で例外的な猶予を与えることは誤りである可能性があり、新型コロナウイルス禍で陥ったリセッション(景気後退)からの回復を遅らせかねないとの認識を示した。
欧州の当局者は、コロナ関連の公的保証の付いた不良債権について、銀行への引当金積み増し規則の適用を最初の7年間免除することを望んでいる。
エンリア氏は講演で「ちょうど回復が始まった今、引当金積み増し規則の適用を延期することが正しい選択だとは納得できない」と発言。これらの規則の延期あるいは緩和は、欧州連合(EU)の銀行セクターがコロナ関連の担保付き不良債権を10年以上抱える可能性を受け入れ、次のリセッションに向けた用意が整わないまま過ごすことを意味すると述べた。
ECBはすでに、大量の不良債権に対応する銀行の準備は万端でない上、コロナ危機の影響が数年は明確にならない可能性があるにもかかわらず、一部の銀行は引当金を取り崩していると警告している。
エンリア氏は、銀行は貸出先に返済期間の猶予を与える代わりに、過剰な借り入れから守るための債務再編策を話し合うべきだと指摘。「不良債権の削減は、より急速な経済成長、企業の投資促進、失業率の低下とつながっている」とし、米国などでは不良債権処理にかける時間は欧州より短いと述べた。
欧州の銀行が抱える不良債権は1兆ドル近くに上り、ECBは銀行にそれらを処理するよう圧力を掛け続けている。
この記事に関連するニュース
-
ECB、金融政策で「中間の道」見極め必要=チーフエコノミスト
ロイター / 2025年1月13日 16時34分
-
ユーロ圏貯蓄率、目先高止まりか インフレで資産目減り=ECB
ロイター / 2025年1月8日 19時24分
-
中国経済は、2025年を「復活の年」にできるか...不動産バブル後の中国の「実態」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月26日 16時58分
-
ECB総裁、インフレ目標達成「近づく」 サービス価格が要注意=FT
ロイター / 2024年12月23日 15時55分
-
ECB年次銀行評価、レバレッジリスクで13行に資本増強求める
ロイター / 2024年12月17日 20時20分
ランキング
-
1裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
21時間半の山越えバスが“タダ”!? 岐阜山間部の2大都市を結ぶ無料シャトルバス運行
乗りものニュース / 2025年1月15日 14時12分
-
3悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
4理想の体形や収入がいつまでも手に入らない理由 強い願いも「無意識」に打ち負かされてしまう
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時15分
-
5松屋が「本気のガチ中華」で投入した商品の"正体" 「中華一番」の作者も唸る「水煮牛肉」の実力
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください