NY市場サマリー(8日)ドル下落、ナスダック最高値
ロイター / 2020年7月9日 7時6分
[8日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが下落し2週間ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される一方、米ハイテク株やコモディティー価格が上昇するなど、底堅いリスク選好が見られた。
ユーロ/ドルは3週間ぶりの水準に上昇。豪ドルやニュージーランドドル、カナダドルなどコモディティー通貨も値上がりした。米国株式市場ではハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>が終値ベースの最高値を更新した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「投資家は株式相場の値上がりが早々には終了しないとの確信を強めているようだ。これは世界的な景気刺激対応が今後も継続するとの期待に基づいている」と述べた。
米疾病対策センター(CDC)は8日、全米のコロナ感染者数が5万0304人増加し298万2900人になったと発表。死者は932人増の13万1065人。
ドルは通貨バスケット<=USD>に対し0.5%安の96.479。
ドルは50日移動平均線が200日移動平均線を下回り、いわゆるデッドクロスが出現。デッドクロスはテクニカル的に弱気サインと認識される。
ユーロ/ドル
豪ドル
ドル/円
ポンド/ドル
オフショア人民元
<債券> 米金融・債券市場では、10年債入札の最高落札利回りが過去最低となったことで、新型コロナウイルス感染拡大への対応で新発債の発行が増加する中でも、安全資産としての米国債に対する強い需要が存在していることが確認された。
財務省が実施した290億ドルの10年債入札では、最高落札利回りが0.653%と、5月入札の0.7%から低下した。7日実施の3年債入札の最高落札利回りも過去最低を記録していた。
入札結果を受け、流通市場で10年債
アナリストは、米国債利回りは他の国の国債と比べるとまだ高い水準にあるため、米国の増大する財政赤字や新型ウイルス感染拡大などは重要視されなかった可能性があると指摘。BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は「世界的に安全資産への需要が高まり、特に欧州諸国の国債利回りが低水準、もしくはマイナス圏にある中、米国債に対する構造的な需要はごく自然に継続する」と述べた。
2年債
<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終了した。ハイテク株が買われ、ナスダック総合が終値ベースの最高値を更新した。新型コロナウイルス感染者の全国的な急増を背景に新たなロックダウン(都市封鎖)措置を巡る懸念はあるものの、経済回復への期待が勝った。
米アップル
米国で確認された新型コロナ感染者数は300万人を突破。カリフォルニア州、ハワイ州、アイダホ州、ミズーリ州、モンタナ州、オクラホマ州、テキサス州の1日当たりの新規感染者数は過去最多を更新した。
ただ投資家は5月の雇用動態調査(JOLTS)や6月の米ISM非製造業指数など直近の好調な経済指標を重視している。
スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カーディロ氏は「市場は新型コロナ感染者の急増がもたらす潜在的な影響を無視し続けている」と指摘。米国株は買われすぎとの認識を示した上で、安全資産である金価格
終盤には、米セントルイス地区連銀のブラード総裁が雇用者のほとんどが90日以内に復職するとし、年末の米失業率は8%を下回る可能性が高いと述べたことも追い風となった。
一方、来週からの第2・四半期の決算シーズンを控え、様子見ムードも強まっている。
リフィニティブIBESのデータによると、S&P500構成銘柄の四半期利益は前年比で約44%減と、2008年の金融危機以来の落ち込みとなる見通し。
個別銘柄では、米バイオ医薬品大手バイオジェン
半面、米保険大手オールステート
<金先物> 8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産としての旺盛な需要を受けて、4営業日続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比10.70ドル(0.59%)高の1オンス=1820.60ドル。前日に続き、中心限月ベースで2011年9月以来約8年10カ月ぶりの高値を更新した。
米南部と西部を中心に新型コロナウイルスの新規感染者が急増。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)によると、米国の新型コロナ感染者数は8日、累計300万人を突破した。死者は13万人を上回り、感染者とともに世界最多となった。経済再開の動きが停滞し、景気回復が遅れるとの懸念がくすぶる中、安全資産としての金需要が継続。相場は一時1829.80ドルまで上昇した。
外国為替市場でドル安・ユーロ高が進行し、ドル建てで取引される金塊に割安感が広がったことも買いを後押ししたもようだ。
<米原油先物> 8日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ガソリン在庫の減少を示す統計の発表を好感し、3営業日ぶりに反発した。米国産標準油 種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.28ドル(0.69%)高の1バレル=40.90ドル。9月物は0.34ドル高の41.04ドルだった。
米石油協会(API)が7日夕に発表した3日までの1週間の国内原油在庫は、前週比205万バレル増加。市場予想(310万バレル減=ロイター通信調べ)に反して積み増しとなったことを嫌気し、相場は8日早朝にかけておおむね軟調に推移していた。8日午前に米エネルギー情報局(EIA)が公表した週報でも、原油在庫は570万バレル増を記録。これが重しとなり、午前中はやや売りが優勢だった。しかし、昼ごろからは、EIA週報でガソリン在庫が市場の横ばい予想に対し、480万バレル減少を示したことを材料に買い戻しが入り、プラス圏に切り返す展開。外国為替市場でドル安・ユーロ高が進行し、ドル建てで取引される商品に割安感が浮上したことも、原油相場を支えたもようだ。
ドル/円 NY終値 107.25/107.27
始値 107.54
高値 107.59
安値 107.21
ユーロ/ドル NY終値 1.1329/1.1331
始値 1.1281
高値 1.1351
安値 1.1277
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*10.50 1.4009%
前営業日終値 96*19.50 1.3890%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.50 0.6660%
前営業日終値 99*25.00 0.6480%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.75 0.3022%
前営業日終値 99*25.25 0.2930%
2年債(指標銘柄) 17時04分 99*29.63 0.1626%
前営業日終値 99*29.50 0.1650%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26067.28 +177.10 +0.68 <.DJI>
前営業日終値 25890.18
ナスダック総合 10492.50 +148.61 +1.44 <.IXIC>
前営業日終値 10343.89
S&P総合500種 3169.94 +24.62 +0.78 <.SPX>
前営業日終値 3145.32
COMEX金 8月限 1820.6 +10.7
前営業日終値 1809.9
COMEX銀 9月限 1916.1 +46.2
前営業日終値 1869.9
北海ブレント 9月限 43.29 +0.21
前営業日終値 43.08
米WTI先物 8月限 40.90 +0.28
前営業日終値 40.62
CRB商品指数 141.9592 +0.3974 <.TRCCRB>
前営業日終値 141.5618
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