EU閣僚、ポーランド憲法裁の判断を批判 「EU存続の危機」
ロイター / 2021年10月8日 20時31分
ポーランドの憲法裁判所が欧州連合(EU)法の優位性に異議を唱える判断を示したことを受けて、EU加盟国の閣僚からは、EU存続の危機につながりかねず、ポーランドがEUを離脱する可能性もあるとの発言が相次いだ。写真はEUとポーランドの旗。リトアニアで2019年4月撮影(2021年 ロイター/Ints Kalnins)
[ワルシャワ 8日 ロイター] - ポーランドの憲法裁判所が欧州連合(EU)法の優位性に異議を唱える判断を示したことを受けて、EU加盟国の閣僚からは、EU存続の危機につながりかねず、ポーランドがEUを離脱する可能性もあるとの発言が相次いだ。
ポーランド政府は憲法裁の判断を歓迎。EU加盟継続を望むとした上で、各加盟国は平等に扱われ、尊重されなければならないとの見解を示した。
ポーランドは、民主的な価値観や司法の独立を巡って以前からEUと対立してきたが、憲法裁が7日、一部のEU法はポーランドの憲法と整合性が取れないとの判断を示したことで、双方の対立が激化するとみられている。
ルクセンブルクのアセルボーン外相は記者団に「ポーランド政府は火遊びをしているとはっきり言わなければならない」とし「EU法の優位性は、欧州の統合にとって不可欠だ。この原則が破られるのであれば、現在われわれが知っている欧州は消滅することになる」と発言。
フランスのボーヌ欧州問題担当相も、ポーランド憲法裁の判断はEUに対する攻撃であり、ポーランドに対する経済制裁につながる可能性があると指摘。BMFテレビに対し「極めて深刻だ。事実上、EUから離脱するリスクがある」とし、ポーランドの離脱は望んでいないと付け加えた。
ポーランド政府はEUを離脱する「ポレグジット」の計画はないとしている。
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