英インフレ率、28年までの目標達成ない見通し＝ＮＩＥＳＲ

英シンクタンクの国立経済社会研究所（ＮＩＥＳＲ）は、英インフレ率について、２０２８年までに目標の２％に戻ることはないとの見通しを示した。写真は、ロンドン市内のマーケットの様子。２０２３年７月１９日に撮影。（２０２３年　ロイター／Anna Gordon）

[ロンドン ９日 ロイター] - 英シンクタンクの国立経済社会研究所（ＮＩＥＳＲ）は、英インフレ率について、２０２８年までに目標の２％に戻ることはないとの見通しを示した。

インフレ率は現在の７．９％から２３年末には５．２％まで低下するが、その後は低下速度が遅くなり２５年、２６年、２７年には平均でイングランド銀行（英中銀）の目標である２％をわずかに上回る程度になると予想した。

経済成長率は今年が０．４％、２４年が０．３％と３カ月前の予測（今年０．３％、来年０．６％）から大きく変わっていない。

ＮＩＥＳＲのジャジト・チャダ所長は「インフレ、政治的混乱、世界経済の減速、オイルショック、ストライキなど１９７０年代を彷彿とさせる名詞がたくさんある」と述べ、物価上昇時の成長停滞を意味する「英国病」の再来の可能性を警告した。

熟練労働者の不足、生産性の低迷、公共投資の不足などの問題により、２４年末までに景気後退（リセッション）に逆戻りする可能性も６０％あるという。