中国当局、一部証券会社に債券取引の法令順守調査を指示＝関係筋

　８月９日　中国証券監督管理委員会（証監会）は債券投資の過熱を抑制するため、一部の証券会社に対し、債券取引業務を調査するよう命じた。写真は２月８日、北京で撮影（２０２４年　ロイター／Florence Lo）

[上海 ９日 ロイター] - 中国証券監督管理委員会（証監会）は債券投資の過熱を抑制するため、一部の証券会社に対し、債券取引業務を調査するよう命じた。関係筋が明らかにした。

通達を受けたのはいずれも国内証券会社で、債券取引のあらゆる業務についてコンプライアンス（法令順守）を確認するよう指示されたという。

証監会からコメントは得られていない。

中国では銀行が預金金利を引き下げ、株式市場は値動きが荒くなっており、大手銀行や保険会社、投資信託、地方の金融機関などがこぞって債券に投資している。

中国人民銀行（中央銀行）はバブルを懸念し、無謀な債券投資に対して繰り返し警告している。

当局は国債価格の上昇を抑制するため、最近、相次いで対策を講じている。

関係筋によると、証監会は新たに設定される債券ファンドについて、デュレーションの上限を設定。人民銀行も一部の金融機関に対し、長期国債の保有状況を毎日報告するよう要請した。

業界データや市場関係者によると、今週は大手国有銀行が国債を大量に売却した。

関係筋は「（当局は）総力を挙げて債券市場の不正行為を取り締まっている」と述べた。

人民銀監督下にある中国銀行間市場交易商協会（ＮＡＦＭＩＩ）は、債券市場操作の疑いで農村商業銀行４行を調査すると発表しており、関係筋によると、今回の法令順守調査は一部、この４行に関連している。

４行は常熟農村商業銀行、崑山農村商業銀行、江蘇蘇州農村商業銀行、江南農村商業銀行で、全て江蘇省の銀行。