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NY市場サマリー(9日)株続伸、ドル小幅安 長期国債利回り低下

ロイター / 2024年8月10日 6時45分

<為替> ドルが小幅下落して波乱の一週間を終えた。市場では、8日発表の米失業保険申請件数が予想以上に減少したことで、景気後退が迫っているとの見方に修正が入り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退した。

ドル/円は過去3営業日の上昇から一転、この日は下げた。終盤は0.39%安の146.675円となったが、週足では6週間ぶりの上昇を記録する基調にある。

今週は変動の大きな一週間だった。2日に発表された米7月雇用統計が驚くほど軟調だったことが引き金となり、世界的に株価が急落。一方、円やスイスフランなど安全資産への需要が高まり、両通貨は5日に年初来高値水準に急騰した。

マネックスUSAのトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は「世界中で起きている混乱や紛争に対する安全な逃避先として、最終的に円を利用したいという意欲が高まった」と語った。

ドル指数は0.136%安の103.14。

ドル/スイスフランは0.18%安の0.865スイスフラン。週足ではまだ上昇を維持している。

CMEのフェドウォッチによると、FRBが9月17─18日に開催する次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する確率は52%に低下。前日は69%だった。25bpの利下げが実施される確率は49%となった。

ユーロ/ドルは1.0919ドルで横ばい。英ポンドは1.2756ドルまで上昇した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長期国債利回りが低下した。先週から今週初めにかけて高まっていた米国経済見通しに対する懸念が一服し、市場の注目は来週発表される米インフレ指標にシフトしている。

今週5日、世界的な株式市場の急落を背景に債券が大きく買われたことで利回りは1年余りぶりの低水準に急低下。ただ、8日に発表された米失業保険申請件数が予想以上に減少したことで景気後退懸念は和らいだ。

DRWトレーディング(シカゴ)のマーケット・ストラテジスト、 ルー・ブライエン氏は、月初の債券市場のメインテーマは、「労働市場の現状と米連邦準備理事会(FRB)の今後の道筋に対する懸念だった」と指摘。「その後、円キャリートレードを背景に市場に多くのノイズが加わった」と述べた。

2年債利回りは1.1ベーシスポイント(bp)上昇の4.055%となった。週間では18bp上昇した。

指標となる10年債利回りは5.3bp低下の3.944%となった。週ベースでは15bpの上昇となった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス11bp。5日は一時、1.50bpと22年7月以来のプラスに転じた。

FRBは次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとみられているが、利下げ幅が25bpになるか50bpになるか市場の見方は分かれている。ストーンXグループの米債セールス&トレーディング部門責任者スティーブン・ゴラ氏は、50bpの利下げが実施されるとの観測が過大評価されている可能性があると述べた。

利下げの道筋について手掛かりを得ようと、22─24日にカンザスシティー連銀が開く経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエルFRB議長の発言が注目されている。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 続伸して取引を終えた。情報技術セクターが上昇をけん引した。S&P総合500種は、週初は景気後退懸念と円キャリートレードの巻き戻しで急落したが、週足ではほぼ横ばいとなった。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)も低下した。

パー・スターリング・キャピタル・マネジメント(テキサス州オースティン)のディレクター、ロバート・フィップス氏は「投資家は相場が底を付けた証拠を見つけようとしている」と語った。

CMEグループのフェドウオッチによると、米連邦準備理事会(FRB)が次回9月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利下げを行う確率は55%、25bpの利下げ確率は45%とみられている。

投資家は、来週発表される7月米消費者物価指数(CPI)と小売売上高を注目している。

個別銘柄では、ゲームソフト大手の米テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアが4.4%高。2026年度と27年度の純予約件数が伸びるとの予想を発表した。

オンライン旅行代理店のエクスペディア・グループは10.2%高。第2・四半期の利益がアナリスト予想を上回った。

米取引所の合算出来高は111億3000万株。直近20営業日の平均は125億9000万株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.39対1の比率で上回った。一方、ナスダックでは1.14対1で値下がり銘柄が多かった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 新規の手掛かり材料待ちの中、米早期利下げ期待や米長期金利の低下を背景とした買いに、3日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比10.10ドル(0.41%)高の1オンス=2473.40ドル。週間では3.60ドル(0.15%)上昇した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 過度の米景気減速懸念が和らぐ中で買われ、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物は前日清算値(終値に相当)比0.65ドル(0.85%)高の1バレル=76.84ドルだった。週間では4.52%高。10月物は0.57ドル高の75.61ドル。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 146.61/146.65

始値 147.14

高値 147.15

安値 146.28

ユーロ/ドル NY終値 1.0916/1.0917

始値 1.0917

高値 1.0931

安値 1.091

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 100*16.50 4.2195%

前営業日終値 99*12.75 4.2860%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.00 3.9398%

前営業日終値 99*00.00 3.9970%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*29.25 3.7961%

前営業日終値 100*24.00 3.8330%

2年債(指標銘柄) 17時02分 100*19.00 4.0572%

前営業日終値 100*19.88 4.0440%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 39497.54 +51.05 +0.13

前営業日終値 39446.49

ナスダック総合 16745.30 +85.28 +0.51

前営業日終値 16660.02

S&P総合500種 5344.16 +24.85 +0.47

前営業日終値 5319.31

COMEX金 12月限 2473.4 +10.1

前営業日終値 2463.3

COMEX銀 9月限 2758.8 ‐1.8

前営業日終値 2760.6

北海ブレント 10月限 79.66 +0.50

前営業日終値 79.16

米WTI先物 9月限 76.84 +0.65

前営業日終値 76.19

CRB商品指数 275.9603 +1.9696

前営業日終値 273.9907

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