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経常収支7月は3.1兆円の黒字、円安で第一次所得収支が過去最大

ロイター / 2024年9月9日 11時5分

 9月9日、財務省が発表した国際収支状況速報によると、7月の経常収支は3兆1930億円の黒字で、6月(1兆5335億円の黒字)から黒字幅が拡大した。写真は7月12日、都内の為替ボード前で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Tetsushi Kajimoto

[東京 9日 ロイター] - 財務省が9日発表した国際収支状況速報によると、7月の経常収支は3兆1930億円の黒字で、6月(1兆5335億円の黒字)から黒字幅が拡大した。月前半にドルが160円超まで上昇するなど、円安の影響などで投資収益が増え第一次所得収支が4兆4410億円と1985年の統計開始以来、最大の黒字幅に拡大した。

経常収支のその他の内訳では、貿易収支は4827億円の赤字に転化した。貿易収支を含む貿易・サービス収支は1兆0155億円の赤字、第二次所得収支は2325億円の赤字だった。

ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は2兆5893億円の黒字で、公表された黒字幅は予想を上回った。

経常黒字の増加の要因としては対ドル、対ユーロで前年比10%を超える円安が挙げられるが、今後日本を除く世界の主要な中央銀行が利下げ局面に入ると黒字幅も縮小に向かうとみられている。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定することはすでに織り込まれており、7月に一時161円台まで上昇したドルは足元142円台まで下げている。

伊藤忠総研のチーフエコノミスト、武田淳氏は「今後とも経常収支が赤字になることはあり得ないが、対実質国内総生産(GDP)比で3%を超える黒字が継続することもなくなる」と見込む。巨額の経常黒字は米財務省の為替報告書が警告する3要件のうちの一つだが「(そこまで経常黒字が縮小すれば)米国からにらまれることもなくなるだろう」とみている。

長年、経常収支黒字をけん引してきた貿易収支は2000年代半ば以降、黒字幅が縮小し、2012年から15年にかけては赤字に転じるなど黒字は常態ではなくなっている。一方、第一次所得収支の黒字幅は徐々に拡大し、2000年代半ば以降は経常収支の黒字の主因となっている。この間、サービス収支は赤字幅が縮小し、近年では収支がおおむね均衡している。

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