FRB、現行ペースの債券購入継続を明言 22年までの金利維持予想
ロイター / 2020年6月11日 8時38分
米連邦準備理事会(FRB)は9─10日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くことを決定した。ワシントンのFRB本部で昨年3月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は9─10日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くと同時に、異例の経済支援を継続すると改めて表明した。また、少なくとも2022年まで金利をゼロ近辺に維持するとの見通しを示した。
国内総生産(GDP)は今年6.5%縮小するとしたほか、失業率は年末時点で9.3%になるとの見通しを示した。FRBが経済見通しを発表するのは昨年12月以来で、新型コロナウイルス危機後では初めて。
米国では2月以降、2000万人以上が失業しており、パウエルFRB議長は、そうした人々が再び職に就くには何年もかかる可能性があると指摘。「長い道のりだ。しばらく時間がかかる」と述べた。
その上で「労働市場と経済を支えるためFRBの政策手段を活用することが可能であり、完全に回復するまで活用できる」と表明。労働市場を昨年末の状況に回復させるため取り組む考えを示した。
<長い道のり>
最新の経済見通しには、回復に長い年月がかかるとの見方が表れている。参加者の予想中央値では、失業率は21年末で6.5%、22年末で5.5%に低下すると見込んだ。昨年末の水準を2%ポイント上回っている。
FRBは声明で「現在進行中の公衆衛生上の危機は短期的に経済活動や雇用、インフレへの大幅な重しになり、中期的な経済見通しにかなりのリスクをもたらすだろう」と指摘した。
FF金利の見通しについては、参加者17人全員が21年末まで現行水準にとどまるとし、15人は22年末まで据え置かれるとの見方を示した。
2007─09年金融危機の最悪期でも、一部の当局者はインフレを警戒して利上げの必要性に言及していたが、今回パウエル議長は、現時点で「利上げについて検討することは考えてもいない」と言明した。
経済見通しでは、PCE価格指数の伸びは今年0.8%と、FRBが目標とする2%を大きく下回り、22年末でも1.7%にとどまるとみられている。
今回の声明では大部分において4月時の文言が繰り返されたが、FRBは資産買い入れプログラムについて、米国債で月間約800億ドル、政府機関債および住宅ローン担保証券(MBS)で月間400億ドルという「現在のペース」を維持すると明言した。今後購入のペースが引き上げられたり、他の措置で補完される可能性もある。FRBが力強い経済回復を維持するための長期的な戦略策定に着手している兆しとみられる。
パウエルFRB議長は会見で「可能な限り力強い景気回復を確実にするため、FRBはあらゆる政策手段を駆使することにコミットしている」と再表明した。
金利据え置きの決定は全会一致だった。
経済見通しでは、経済の回復は21年から本格的に開始する見込みとし、同年の経済成長率予想をプラス5.0%とした。
さらに、長期の完全雇用、トレンド成長、FF金利見通しは据え置き、米経済が長期的な打撃を免れた可能性があるというFRBの見解を示唆した。
ノースイースト・インベスターズ・トラストの会長兼ポートフォリオマネジャー、ブルース・モンラッド氏は「低金利を維持しつつ、それが将来的には効果を発揮し、金利が中立水準に到達するというメッセージだろう」と述べた。
パウエル議長は、新型コロナウイルスの感染状況など多くの不透明感が残るものの、財政・金融両面の対応はこれまでのところ奏功し、失業者への所得支援や企業の破綻抑制に寄与していると指摘した。
「人々の記憶の中で最大の経済ショックだ」とした上で、対応は「類を見ないほど大規模かつ強力で、非常に迅速だった」と評価。一方、さらなる支援が必要になる可能性があるとの見方も示した。
FOMCの結果を受け、ほぼ変わらずで推移していた米国株はまちまちに。ダウ平均<.DJI>とS&P総合500種<.SPX>は下落、ナスダック総合<.IXIC>は上昇し、一時過去最高値を更新した。
米債利回りが上昇した一方、ドルはユーロ
*内容を追加して再送します。
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