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経常黒字が過去最大25兆円超、増える投資収益 国内に還流せず

ロイター / 2024年5月10日 9時45分

 5月10日、財務省が発表した国際収支速報によると、2023年度の経常収支は25兆3390億円の黒字だった。写真は円紙幣。2011年8月、都内で撮影(2024年 ロイター/Yuriko Nakao)

Takaya Yamaguchi

[東京 10日 ロイター] - 財務省が10日発表した国際収支速報によると、2023年度の経常収支は25兆3390億円の黒字だった。貿易赤字が縮小する一方で企業の投資収益が大幅に増え、年度の累積黒字額は過去最大となった。黒字拡大は本来なら円高要因とされるが、逆に円安が進み、海外での稼ぎが還流しにくい現状を印象付ける格好となった。

経常黒字は2年ぶりに増加し、黒字額は比較可能な1985年度以降で最大だった2007年度(24兆3376億円)を上回った。22年度からは黒字が16兆2604億円増えた。

経常収支のうち貿易収支は3兆5725億円の赤字で、前年度から赤字幅を縮小させた。原油など資源価格の高騰で前年度は赤字が膨らんでいた。23年度は輸出額が前年度比2.1%増の101兆8666億円だったのに対し、輸入額は10.3%減の105兆4391億円だった。

第1次所得収支は35兆5312億円に膨らんだ。

ただ、専門家からは「中長期的に黒字を確保していく姿は円の信認を維持するうえで大事だが、直接投資収益の黒字のうち半分程度が海外への再投資に回っており、経常黒字が過去最大になっても短期的には円高要因になりにくい」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。

<3月黒字額は予想と一致>

併せて発表された24年3月の経常収支は3兆3988億円の黒字だった。貿易収支が黒字となったことを受けて前年同月に比べて黒字が膨らんだ。

ロイターが事前に実施していた予測中央値は3兆4896億円の黒字で、公表された黒字額は予想とほぼ一致した。

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