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日鉄のUSスチール買収、「米経済に良いことと確信」=新浪・サントリーHD社長

ロイター / 2024年9月11日 15時4分

 9月11日、サントリーホールディングスの新浪剛史社長(経済同友会代表幹事=写真)はロイターのインタビューイベント「ニュースメーカー」に出演し、日本製鉄によるUSスチール買収は「米国経済にとって良いことと確信している」と述べた。写真はロイターのインタビューに答える新浪社長。9月11日、東京で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

David Dolan

[東京 11日 ロイター] - サントリーホールディングスの新浪剛史社長(経済同友会代表幹事)は11日、ロイターのインタビューイベント「ニュースメーカー」に出演し、日本製鉄によるUSスチール買収は「米国経済にとって良いことと確信している」と述べた。自動車業界も鋼材を調達しやすくなるなどし、米産業の競争力が上がるとした。

日鉄が進めてきた150億ドルの買収計画を巡っては、国家安全保障の観点から審査をする対米外国投資委員会(CFIUS)がリスクがあると両社に伝達したことが分かっている。

近く米バイデン政権が買収阻止を発表すると報じられ、日本企業の対米投資に冷や水を浴びせかねないと懸念する声も出ているが、「阻止されたとしても、米国が日本からの投資を受け入れたくないということを意味しているわけではない。日本企業の経営者は政治の問題ということを理解している」と語った。米国が技術革新に優れている点などを挙げ、「日本企業の投資意欲は依然おう盛だ」と語った。

日本の財界を代表する立場でもある新浪社長は、セブン&アイ・ホールディングスがカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールから受けた買収提案を拒否したことにも言及。提案価格が低すぎるとし、「セブン&アイは公正に対応した」と述べた。

一方、「多くの日本企業トップはクシュタールのような海外からの提案に神経質になっている」とも話した。「クシュタールの提案はセブン&アイにとってウェークアップコールだったかもしれない。私は、セブン&アイがその種のウェークアップコールには対応できると思う」とした。

<金融正常化「歓迎すべき」>

11月の投開票に向けてこの日初めて討論会が行われた米大統領選については、民主党候補のハリス副大統領、共和党候補のトランプ前大統領のどちらが勝利しても「日本企業はビジネス環境を乗り切ることができる」と語った。

また、新浪社長はサントリーHDの経営について、常に他社のブランドを買収する準備があると明らかにした。総額160億ドルだった米蒸留酒最大手ビーム社の買収は負担も大きかったが、100億ドル程度であれば可能とした。「いますぐ対象になる候補はいない」とも付け加えた。

このほか新浪社長は、日銀が今後半年あるいは9カ月程度で政策金利を現在の0.25%から1%へ徐々に引き上げると予想した。日本経済が約20年続いたデフレからインレへと転換し、「ランドスケープは変わった」と述べ、日本企業に金利のある世界への対応を求めた。

「金融政策の正常化は市場やビジネスリーダーに歓迎されるべきだ。それに基づいてわれわれは戦略的なプランを用意しないといけない」と語った。

新浪氏社長は、サントリーHD自身が賃上げの先導を切っていると述べ、賃上げの継続を経済界に促した。「消費意欲を喚起するよう賃上げは持続的であるべきだ」と話した。

*インタビューは英語で実施しました。

*情報を追加し、写真を差し替えました。

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