緊急事態への備えに関心高まる現状、憲法改正議論の契機に=官房長官
ロイター / 2021年6月11日 19時4分
6月11日、加藤勝信官房長官は11日午後の会見で、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態への備えに対する考えが国民の中で高まっている現状は、憲法を改正して緊急事態条項を新設する議論を進めるうえで、絶好の契機であるとの見解を示した。ただ、コロナ感染で国民が被害を受けている現状を指して「絶好」と言ったわけではないと、その点は強く否定した。写真は10日、東京の首相官邸で撮影(2021年 時事通信)
[東京 11日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は11日午後の会見で、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態への備えに対する考えが国民の中で高まっている現状は、憲法を改正して緊急事態条項を新設する議論を進めるうえで、絶好の契機であるとの見解を示した。ただ、コロナ感染で国民が被害を受けている現状を指して「絶好」と言ったわけではないと、その点は強く否定した。
加藤官房長官は、憲法改正による緊急事態条項の新設について、大地震発生などの緊急事態において国民の生命と安全を守るため、国家や国民がどのような役割を果たし困難を乗り越えるべきか、それをどのように憲法に位置付けるかは「大切な課題である」と指摘した。
その上で全国民が新型コロナの感染という未曽有の経験をし「緊急事態の備えに対する関心が高まっている現状において、議論を提起し、進めることは絶好の契機と考えている」と述べた。
これに対し、コロナ感染で死者などの被害が出ている現状を「絶好」と表現したのは不適切ではないかとの質問が出たが、加藤官房長官は「苦しんでいる方々がいらっしゃることを絶好としているのではない」と反論。「(被害が出ている)この状況をよい、絶好と言っていることは一切ない」と説明。緊急事態条項について考える上で、1つのタイミングとして捉えているとの見解を示したと述べた。
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