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ロシアにドル・ユーロ紙幣流入、第3国から数十億ドル 制裁回避

ロイター / 2024年8月12日 18時15分

ウクライナ侵攻を受けた制裁で禁止されたにもかかわらず、ロシアに約23億ドル相当のドルやユーロの紙幣が流入していることが税関のデータで分かった。(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

Gleb Stolyarov Filipp Lebedev Alexander Marrow

[ロンドン 12日 ロイター] - ウクライナ侵攻を受けた制裁で禁止されたにもかかわらず、ロシアに約23億ドル相当のドルやユーロの紙幣が流入していることが税関のデータで分かった。

制裁でロシアは国際金融システムから遮断された。米国と欧州連合(EU)は2022年3月にドル、ユーロ紙幣のロシアへの提供を禁止した。

税関データは、関連情報を記録・管理する業者から入手した。データは2022年3月から23年12月までのもので、より最近のデータにはアクセスできなかった。

紙幣はロシアとの貿易を規制していないアラブ首長国連邦(UAE)やトルコなどから移されている。全体の半分以上はどの国から渡ったのか記録がない。

ロシア中央銀行は、ウクライナ侵攻後、個人の外貨引き出しを制限した。

データによると、22年2月から23年末の間に国外に流出したドル・ユーロ紙幣は9800万ドルにとどまった。

一方、外貨流入は高水準だった。最大の申告者は、空港や機内で免税ショッピングサービスを提供する企業アエロ・トレードで、同社は同期間に約15億ドル申告した。

申告は73件で、1件あたり2000万ドルまたは2000万ユーロ。全て本社近くのモスクワ・ドモジェドボ空港で通関された。申告書には両替または機内取引による収入と記載されていた。

税関の記録と取引に詳しい人物によると、流入した22億7000万ドルの紙幣の4分の1以上は銀行が持ち込んでおり、その多くは貴金属の代金として使われた。

ロシアの複数の銀行は22年3月から23年12月の間に海外から5億8000万ドル相当の現金を受け取り、ほぼ同額の貴金属を輸出した。多くの場合、貴金属は紙幣を供給した企業に渡っていた。

このほか国営軍産複合企業ロステック傘下企業も現金を持ち込んだ主要企業。ロステックは2014年から米国の制裁対象となっている。同社が受け取った現金の支払いに関するロイターの質問には回答していない。

文書によると、侵攻直前に現金の輸入が急増していた。21年11月から22年2月までの間に189億ドルのドル・ユーロ紙幣がロシアに流入した。その前の4カ月はわずか1700万ドルだった。

米法律事務所ブキャナン・インガソル・アンド・ルーニーの国際貿易・国家安全保障プラクティスのグループリーダー、ダニエル・ピカード氏は、侵攻前の輸入急増は、一部ロシア人による制裁を見越した動きとの見方を示した。

ロシアのアストラ・アセット・マネジメントの投資責任者、ドミトリー・ポレヴォイ氏によると、多くのロシア人は海外旅行や少額の輸入、国内貯蓄のために外貨を現金で欲しがっている。「個人にとって、ドルは今も信頼できる通貨だ」とロイターに語った。

ロシア中央銀行と米国の制裁当局、財務省外国資産管理室(OFAC)はコメントの要請に応じていない。

欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は、制裁措置が適用される個別のケースについてはコメントできないと述べた。制裁回避の疑いが生じた場合は第三国と連携するとした。

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