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来週会合で利上げ行うか議論、タイミング「難しい」=氷見野日銀副総裁

ロイター / 2025年1月14日 12時4分

 1月14日、日銀の氷見野良三副総裁(写真)は、神奈川県金融経済懇談会であいさつし、「展望リポート」にまとめる経済・物価の見通しを基礎に、今月の金融政策決定会合で利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したいと述べた。写真は都内で2023年6月撮影(2025 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada

[横浜市 14日 ロイター] - 日銀の氷見野良三副総裁は14日、神奈川県金融経済懇談会であいさつし、来週23―24日に開く金融政策決定会合で、「展望リポート」の経済・物価見通しを基礎に、利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したいと述べた。政策変更のタイミングの判断は「難しく、かつ重要だ」とした。

追加利上げの判断に当たっての注目ポイントとして、国内の賃上げ動向と米国の次期政権の経済政策運営の影響を挙げた。2025年度の賃上げについては、強い業況判断、高水準が続く企業収益、歴史的に低い水準にある労働分配率、人手不足、転職の活発化、最低賃金の引き上げなどから「2024年度に続いて強い結果を期待できるのでは、と願っている」と話した。

米次期政権が打ち出す政策の米国経済・世界経済・日本経済への影響については「継続的に見続けるしかないが、来週の就任演説で政策の大きな方向は示されるのではないか」と述べた。その上で「少なくとも米国経済は当面強いパフォーマンスが続くとの見方が多く、下方リスクに焦点が当たっていた昨年8月ごろとはだいぶ様子が変わってきた」と指摘した。

氷見野副総裁は、日銀は現状、実際のインフレ率が下がっていき、予想インフレ率は上がっていって双方とも2%前後で着地するという「難度の高い道筋」を描いているが、これまでのところ、見通しの背後にある経済のメカニズムも含めて「おおむねその見通しに沿って進んでいる」と述べた。今後も見通しが実現していくとすれば「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」としたが、内外には上下双方向のさまざまなリスク要因があり、注意深く判断していく必要があると話した。

金融政策を巡る市場とのコミュニケーションについて、意図してサプライズを起こすことは危機時など市場の認識を大きく転換すべき局面を除いて「望ましいことではない」と話す半面、「毎回の金融政策決定会合の結論について、事前に市場に完全に織り込んでもらえるようにコミュニケーションをとるべきだ、ということにはならない」と語った。

その上で、政策委員が出席して各地で行う金融経済懇談会の開催時期を平準化するとともに、日程の公表に当たっては「ぎりぎりに発表すると何か緊急にメッセージを出そうとしているのかとか誤解されかねないので、できるだけ早くに公表することにしたい」とした。

氷見野副総裁の懇談会を巡っては、昨年12月9日に開催が公表された。12月の金融政策決定会合の開催前、しかも懇談会の開催日から1カ月以上前の日程公表になったことで、市場では1月の決定会合での利上げ観測が高まった。

実質金利は深いマイナス圏での推移が続いている。氷見野副総裁は「ショックやデフレ的な諸要因が解消された状態であれば、実質金利がはっきりとマイナスの状態がずっと続くというのは、普通の姿とは言えないのではないか」と指摘。今後も人口減少やグローバル化に伴う様々な課題を工夫して乗り越えていけるとすれば「実質金利が深いマイナスではなくなっていく姿を将来像として展望することも可能になるのではないか」と述べた。

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