マレーシアGDP、第2四半期は前年比5.9%増 1年半ぶり高成長
ロイター / 2024年8月16日 16時20分
Danial Azhar Rozanna Latiff
[クアラルンプール 16日 ロイター] - マレーシア政府・中央銀行が16日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.9%増と、18カ月ぶりの高成長となった。個人消費、輸出、投資の伸びに支えられた。中銀は通年の成長率が予想の上限近くになるとの見方を示した。 第1・四半期の4.2%から加速し、2022年第4・四半期の7.4%に次ぐ高い伸びとなった。先月発表された速報値とロイターがまとめたアナリスト予想はいずれも5.8%だった。 季節調整済前期比では2.9%増と、第1・四半期の1.5%増から拡大した。 中銀と政府の統計局は共同会見で、個人消費の増加、良好な労働市場の状況、輸出と投資の回復が成長をけん引したと説明した。 ラシード中銀総裁は、通年の成長率は中銀の予想(4─5%)の上限になるとの見方を示した。 「雇用と所得の継続的な増加、政策支援の拡大、力強い投資活動によって、個人消費は今年いっぱい成長のけん引役であり続けるだろう」と述べた。 通貨リンギの対ドル相場は2月に26年ぶりの安値を付けたが、その後は回復し年初来で3.3%高となっている。中銀は米利下げへの期待が高まり、アジア新興国通貨への圧力が緩和されたことが一因と分析した。 ラシード氏は米国とマレーシアの金利差の縮小が今後数カ月、通貨リンギに追い風になるとの見通しを示した。 中銀は6月の軽油に対する補助金の削減を受けて、インフレ率は上昇傾向にあるが、管理可能な範囲にとどまると予想した。 中銀によると、上半期の総合インフレ率とコアインフレ率は平均1.8%だった。今年の総合インフレ率は2─3.5%と予測している。 マレーシア政府は補助金削減をさらに進めていく方針で、インフレ上昇のリスクから、中銀は金利を年内据え置くとアナリストは予想している。 バンク・ムアマラット・マレーシアのチーフエコノミスト、モハメッド・アフザニザム氏は「中銀は今後も特に物価面で金融政策の運営に警戒を怠らないだろう。中銀はインフレ予想を維持しており、これの同国のインフレ見通しに一定の不確実性があることを示している」と述べた。 キャピタル・エコノミクスはメモで、GDPは予想を上回ったが、商品価格の下落やインフレリスク、観光客の増加による景気押し上げ効果の縮小により、マレーシアは今後、景気減速に直面するとの見通しを示した。
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