英CPI、12月は30年ぶり上昇率 英中銀は来月利上げとの見方も
ロイター / 2022年1月19日 18時53分
英国立統計局が19日発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比5.4%上昇で約30年ぶりの大幅上昇となった。写真はロンドンのスーパーマーケットで昨年1月撮影(2022年 ロイター/Henry Nicholls)
[ロンドン 19日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が19日発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比5.4%上昇で約30年ぶりの大幅上昇となった。イングランド銀行(英中央銀行)の来月の追加利上げを後押しする可能性がある。
上昇率は1992年3月以来の高水準。前月の5.1%、ロイターがまとめたエコノミスト予想の5.2%を上回った。
財・サービスで広範囲に価格が上昇。最大の押し上げ要因は食品・飲料で、次いでレストラン・ホテルだった。
インフレ進行は政治問題にもなっている。政府は4月に家計向けエネルギー料金を50%引き上げる予定だが、野党などは値上げの影響緩和策を求めている。
スナク財務相は統計を受け「国民が生活費で圧力を受けていると認識している。引き続き国民の懸念に耳を傾ける」と述べた。
<2月に追加利上げか>
金融市場は、英中銀が2月3日に追加利上げし、8750億ポンド(1兆1900億ドル)の保有国債については、償還が到来した分の再投資はせず徐々に減らしていく方針を発表する可能性が高いとみている。
英国経営者協会のチーフエコノミスト、キティ・アッシャー氏は、食品価格の前年比4.2%上昇が注目点だとし、インフレが一時的なものでなく、ある程度定着したと考える材料が増えたと指摘した。同氏は英中銀が来月、政策金利を0.25%から0.5%に上げると予想している。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、アンブローズ・クロフトン氏は「英中銀は既に金融政策スタンスに違和感を感じていた」との見方を示し「総合インフレ率とコアインフレ率共に上振れしたのはプラスにはならなかっただろう」と語った。
12月の統計によると、食品、エネルギー、アルコール、たばこを除いたコアCPIは前年比上昇率が4.2%。前月の3.9%から加速し過去最高となった。
小売物価指数(RPI)の前年比上昇率は7.5%で前月の7.1%を上回り30年ぶりの伸び率となった。
一方、生産者物価は上昇圧力がピークアウトした可能性を示唆。出荷・販売時の価格を示す産出価格指数は前年比9.3%上昇で、前月(9.4%上昇)から若干鈍化。伸びの鈍化は2020年7月以来。
原材料コストを示す投入価格指数も、前年比上昇率が15.2%から13.5%に低下した。
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