英中銀が金利据え置き、3委員は利下げ主張 段階的対応必要と総裁
ロイター / 2024年12月20日 1時49分
David Milliken Suban Abdulla
[ロンドン 19日 ロイター] - イングランド銀行(中央銀行)は19日、政策金利を4.75%に据え置いた。金融政策委員9人のうち6人が据え置きに賛成、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー委員は0.25%ポイントの利下げを主張した。
ロイター調査によるエコノミスト予想では利下げを主張するのは1人とみられていたが、インフレ圧力による景気減速への対応を巡り、予想以上に当局者の見解が分かれた。
ベイリー総裁は、利下げについて「段階的なアプローチ」を続ける必要があると指摘。「経済の不確実性が高まっているため、来年いつ、どの程度利下げを行うかを確約することはできない」と述べた。
英中銀の決定を受け、市場が見込む2025年の利下げ幅は0.53%ポイントと、従来の約0.46%ポイントから上昇した。
先週のロイター調査によると、エコノミストは来年4回の利下げを予想していたが、予想を上回る賃金の伸びを受けて金融市場での利下げ予想は2回に減少していた。
KPMGの英国チーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は、来年の英利下げ余地が「厳しいインフレ環境によって制限される」と予想。成長見通しの弱まりで利下げの緊急性が増している 欧州中央銀行(ECB)などと比べ、「英中銀は特異な状況に置かれるだろう」と述べた。
ドイツ銀行の英国チーフエコノミスト、サンジェイ・ラジャ氏は、英中銀が2月に0.25%ポイントの利下げを実施した後は、25年後半に追加の0.25%ポイント利下げを行うという見通しを示した。
金融市場では、来年2月の0.25%ポイント利下げの確率を45%と織り込んでいる。
ベイリー総裁は市場の観測について、利下げを想定するのは正しいが、その時期は不確定と強調。「市場は『2月に利下げがあるかもしれないし、ないかもしれない』とみている。これはかなり妥当な出発点だ」と述べた。
18日に発表された11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.6%。中銀は「総合インフレ率は、当面若干の上昇が続く」との見通しを示した。
中銀はまた、6週間前は0.3%としていた今第4・四半期の成長率予測をゼロに下方修正した。
リーブス財務相は10月公表した予算案で増税方針を示したが、今回据え置きを支持した委員は、こうしたコスト増が物価上昇を通じて消費者に転嫁されるのか、雇用喪失や給与の伸び悩みにつながるのか、依然「特に不透明」だとの見方を示した。
トランプ次期米政権下で貿易政策が変更された場合、英国への影響を見極めることは難しいとも指摘した。
その上で「最近の展開は、特定の会合で政策変更の確約は避けながら、抑制的な政策の解除に向けて段階的にアプローチすべきだとの議論を強めるものだ」との見方を示した。
利下げに賛成した3委員は、「非常に制限的な」政策スタンスによりインフレ率が中期的に目標の2%を大幅に下回り、大きな経済余剰につながるリスクがあると指摘した。
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