NY市場サマリー(19日)ドル上昇、長期債利回り上昇 株ほぼ横ばい
ロイター / 2024年12月20日 7時39分
<為替> ドルが上昇し、2年ぶり高値近辺で推移した。米連邦準備理事会(FRB)による「タカ派的な利下げ」を消化する動きとなった。 朝方発表された第3・四半期の米国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比3.1%増に上方改定されたことも追い風となった。 14日までの1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万2000件減の22万件と、市場予想(23万件)以上に減少した。 主要通貨に対するドル指数は一時108.480と、2022年11月以来の高値を付けた。終盤は0.08%高の108.360。 ドル/円は1.63%高の157.55円と、7月以来の高値近辺を推移した。日銀は18―19日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%程度で据え置くことを決めた。植田和男総裁は、次の利上げ判断に至るには「もう1ノッチ(段階)ほしい」と話した。 UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「中銀の決定が主な焦点で、全般的にドルを支援する内容だった。FRBはタカ派的な利下げを実施し、日銀はハト派的な据え置きを発表した」と述べた。 ポンド/ドルは0.58%安の1.25ドル。イングランド銀行(中央銀行)は19日、政策金利を4.75%に据え置いた。金融政策委員9人のうち6人が据え置きに賛成、3人が0.25%ポイントの利下げを主張。エコノミスト予想では利下げを主張するのは1人とみられていたが、インフレ圧力による景気減速への対応を巡り、予想以上に当局者の見解が分かれた。 ユーロ/ドルは0.16%高の1.036650ドル。
<債券> 長期国債利回りが上昇した。10年国債利回りが一時6カ月半ぶりの高水準に達したほか、30年国債利回りも5月初旬以来の高水準に上昇した。 前日にFRBが来年の金融緩和ペースの鈍化を示唆したほか、この日は全般的に堅調な経済指標が続いたことが背景。 米国の利回り曲線はスティープ化。2年債と10年債の利回り格差は一時27.6ベーシスポイント(bp)と、2022年6月以来の水準に拡大した。終盤は25.3bp。18日は15.5bpだった。 10年債利回りは一時4.594%と、5月下旬以来の高水準を付けた。18日にも11bp以上急上昇していた。終盤は7.6bp上昇の4.574%。 30年債利回りも上昇し、5月初旬以来の高水準となる4.775%を付けた。終盤は7.6bp上昇の4.737%。 一方、政策金利見通しに敏感な2年債利回りは4.1bp低下の4.314%。前日には3週間ぶりの高水準を付けていた。 この日発表された経済データも長期債利回りの上昇を後押しした。 12月14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比2万2000件減の22万件となった。 第3・四半期GDP確報値は年率換算で前期比3.1%増と、改定値の2.8%から上方改定された。堅調な個人消費にけん引され、米経済が第3・四半期に従来予想を上回る成長を遂げたことを確認した。
<株式> ほぼ横ばいで取引を終えた。当初はFRBが来年の利下げ回数の見通しを引き下げ、インフレ予想を引き上げたことを受けた前日の大幅安から反発して推移したが、終盤にかけて失速した。
ダウ工業株30種は小幅ながら11営業日ぶりに反発。前日まで10営業日連続で下げ、1974年以来最長の続落を記録していた。
19日発表の経済指標は新規失業保険申請件数が予想以上に減少したほか、第3・四半期GDP確報値が年率換算で前期比3.1%増と、改定値の2.8%から上方改定され、FRBの見解を裏付ける形となった。
インガルス&スナイダーのシニアポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「(FRBは)インフレ鈍化が続かなければ金利が低下し続けることはないというメッセージを明確にした。インフレ率はここにきてやや上昇しており、FRBにとって懸念材料だ」と指摘。その上で、市場は前日の急落を受けて神経質になっていると述べた。
市場は現在、来年半ばまでに25bpの利下げを1回予想し、来年末までに見込む利下げ回数は2回未満と、先週時点の3回から減少した。
最新の経済指標を受けて長期金利は上昇し、指標10年債利回りは一時4.594%と約7カ月ぶり高水準に達した。
前日の取引でダウとS&P総合500種は8月上旬以来、ナスダック総合は7月以来の大幅な下落率を記録した。それでも年初来ではS&P500が23%、ダウが12%超、ナスダックは29%、それぞれ上昇している。
この日は銀行株が0.3%上昇。 金利上昇で収益性が改善するとの見方に加え、トランプ次期政権で規制緩和が進むとの期待がある。
個別銘柄では半導体大手マイクロン・テクノロジーが16.2%急落。前日発表した第2・四半期(2024年12月―25年2月)の業績見通しが市場予想を下回った。フィラデルフィア半導体指数は1.6%安。
住宅建設のレナーも5.2%下落。第4・四半期決算が予想を下回ったことを嫌気した。
<金先物> FRBが今後の利下げ実施について消極的な姿勢を示唆したとの見方から売りが広がり、6営業日続落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比45.20ドル(1.70%)安の1オンス=2608.10ドルと、中心限月の清算値ベースで11月中旬以来約1カ月ぶりの安値水準を付けた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米英が利下げに慎重な見方を示す中、景気減速に伴うエネルギー需要の先行きに警戒感が強まり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前日清算値(終値に相当)比0.67ドル(0.95%)安の1バレル=69.91ドルだった。2月物は0.64ドル安の69.38ドル。
ドル/円 NY終値 157.43/157.
47
始値 156.72
高値 157.80
安値 156.42
ユーロ/ドル NY終値 1.0362/1.03
64
始値 1.0403
高値 1.0413
安値 1.0355
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*06.5 4.7385
0 %
前営業日終値 97*13.5 4.6600
0 %
10年債(指標銘柄) 17時00分 97*16.0 4.5662
0 %
前営業日終値 98*01.0 4.4980
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.0 4.4229
0 %
前営業日終値 98*27.5 4.3830
0 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.8 4.3186
8 %
前営業日終値 99*25.7 4.3550
5 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42342.24 +15.37 +0.04
前営業日終値 42326.87
ナスダック総合 19372.77 -19.93 -0.10
前営業日終値 19392.69
S&P総合500種 5867.08 -5.08 -0.09
前営業日終値 5872.16
COMEX金 2月限 2608.1 ‐45.2
前営業日終値 2653.3
COMEX銀 3月限 2941.1 ‐132.9
前営業日終値 3074.0
北海ブレント 2月限 72.88 ‐0.51
前営業日終値 73.39
米WTI先物 2月限 69.38 ‐0.64
前営業日終値 70.02
CRB商品指数 290.2145 ‐1.8000
前営業日終値 292.0145
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