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イスラエル軍が「限定的な」地上侵攻、ヒズボラの通信機器の爆発や指導者殺害で指揮系統が混乱

読売新聞 / 2024年10月1日 22時49分

 【エルサレム=西田道成、福島利之】イスラエル軍は1日未明、隣国レバノン南部のイスラエルとの国境付近にある複数の集落で、イスラム教シーア派組織ヒズボラを排除するための「限定的」な地上侵攻を開始したと発表した。イスラエル軍は南方のパレスチナ自治区ガザに続き、隣国での地上戦に踏み切った。緊張が続く中東情勢は新たな局面に入った。

 イスラエル軍のレバノンへの地上侵攻は、大規模な紛争に発展した2006年以来。ヒズボラは徹底抗戦の構えを示しており、戦火が拡大する可能性がある。ヒズボラの後ろ盾であるイランの対応が焦点となる。

 イスラエル軍報道官は1日、ヒズボラについて「レバノンの集落を軍事基地に変えた」と主張した。地上侵攻の目的について、避難しているイスラエル北部住民を帰還させるためとしている。ヒズボラが昨年10月にガザで始まった戦闘に呼応してイスラエル北部への攻撃を開始し、北部の国境地帯の住民約6万人は避難したままとなっている。

 イスラエル軍は地上侵攻に先だってレバノンへの激しい空爆を行い、ヒズボラ司令官らを殺害した。9月17、18日にはヒズボラの通信機器や無線機が爆発し、多数の死傷者が出た。27日には指導者ハッサン・ナスララ師が殺害された。ヒズボラの指揮系統は混乱しており、イスラエル軍にとっては地上侵攻の「絶好の機会」(地元記者)となった。

 軍報道官は10月1日、昨年10月以降、軍の特殊部隊がレバノン国内に侵入し、集落の民家や地下トンネルでイラン製の最新兵器やイスラエルへの大規模な侵攻計画のために用意された地図を発見したと主張した。

 ヒズボラは地上戦で、山や地下トンネルに潜んでゲリラ戦を仕掛けるとみられ、泥沼化が懸念される。イスラエル軍がレバノンに侵攻した06年の紛争では、イスラエル兵121人が死亡した。有力紙のイディオト・アハロノト(1日付)は「よく訓練された民兵の『庭』とも言うべき場所での地上作戦は大きな困難となるだろう」と指摘した。

 イスラエル軍は地上侵攻を「限定的」と強調しているが、レバノンのどこまで軍を侵攻させ、いつまで戦闘を続けるのかは不明だ。中東の戦火はガザだけでなくレバノンにも広がり、終息の見通しは立たない。

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