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山形県内全選挙区で共産が候補擁立、野党共闘は不成立か…過去には「山形方式」成果も

読売新聞 / 2024年10月13日 13時26分

 過去の国政選で一定の成果を収めた野党候補の一本化が、今回の衆院選では成立しない見込みとなっている。前回選では山形1、2区で候補を擁立しなかった共産党が、山形県内全3選挙区で候補擁立を決めた。野党共闘の枠組みに、変化が起きている。(仲條賢太)

共闘を要望

 「今こそ、市民と野党の共闘によって自公政権を退場させ、新しい野党政権を樹立する千載一遇の好機。違いを乗り越え大同団結をめざした各党間のご努力を心から要望いたします」

 安保法制の廃止などを目的に、野党共闘の実現を目指す市民団体「市民連合やまがた」が8日、立憲民主、国民民主、共産党の各政党の山形県組織と、れいわ新選組の立候補予定者に対し、要望書を提出した。

 同団体世話人、高木紘一・山形大名誉教授は「山形県は野党共闘の『先進県』として実績がある。今回も政策合意のもとで候補の一本化を最後まで追求すべきではないか」と訴える。

 野党共闘の枠組みは、「山形方式」と呼ばれ、過去の国政選で一定の成果を上げてきた。

 初めは2016年の参院選だ。15年の安保法制への反対運動を契機に、山形選挙区では、共産を含む野党共闘の無所属候補が立ち、自民を破った。19年参院選も無所属候補が勝利した。

 21年の衆院選では、公示1か月前に立民や共産などの非自民系政党の県組織が、新型コロナウイルス対策や、平和安全保障政策など6項目の政策で合意した。1区は立民候補、2区は国民候補に一本化。共産は1区に擁立した候補予定者を取り下げた。だが、いずれも自民に敗れた。

 潮目が変わったのは22年の参院選だ。現職を公認した国民が自公政権の新年度予算案に賛成するなど与党寄りの立場を強めたため、共産が独自候補を立てた。

「簡単じゃない」

 今回はどうか。立民と国民は協力し、連合山形を加えた「2党1団体」で統一候補を選び、全3区に擁立する。対して、共産も全3区に候補の擁立を予定。2区はさらに、れいわ新選組が候補擁立を発表し、混戦模様となった。

 「各党に話し合いの意思があれば、公示直前まで応じる用意がある。門戸は閉ざしていない」。共産党県委員会の本間和也委員長は9月21日、1、2区への候補擁立を発表した記者会見でこう語った。ただし、「国民民主は、立憲民主が共産と選挙協力することも批判するようになっていった。22年の参院選の流れが、克服できない状態になって進んできている」と、現実的な見解も示していた。

 一方、国民の県連会長、舟山康江参院議員は同月、共産との共闘について「目指すべき国家像、政策の方向性を考えた時、簡単じゃない」と述べた。

 立民も、党の新代表に選ばれた野田佳彦氏が「共産と政権を共にしない」と明言していたことから、共闘は困難との見方が県連に広がった。県連代表代行の高橋啓介県議は「中央の状況をみても共闘の状況にない」と話す。

時間切れ

 過去の実績をみれば、共産は、各小選挙区で1万~1万5000票程度の得票が見込まれる。「統一候補」が上積みできれば、その影響は大きい。

 近隣では実際、宮城、岩手、福島各県で、共産候補が立たず、自民と野党の「一騎打ち」が実現しそうな小選挙区がある。

 ただ、各党の間には、公示を目前にして「時間切れ」との認識が広がる。ある野党の県組織幹部は苦しい胸の内を打ち明ける。「県内には野党系の有力衆院議員がおらず、候補擁立で精いっぱいだ。他県と違い、中央の方針から独立独歩で、他党との交渉をリードできる人がいなかった」

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