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選挙戦終盤に2千万円支給発覚、候補者「執行部から爆弾」…党内に「石破降ろし」のマグマたまる

読売新聞 / 2024年10月29日 9時25分

記者会見で記者の質問を聞く石破首相(28日午後、自民党本部で)=川口正峰撮影

[自公惨敗]<上>

 「自民党は反省が足りないと、ご叱責しっせきを賜った。身内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて、抜本的な改革を行っていく」

 28日、自民党本部で総裁として記者会見に臨んだ石破首相はこう強調し、厳しい表情を見せた。衆院選の結果は、政権交代を許した2009年衆院選以来の与党過半数割れとなり、首相の政権運営は窮地に陥っている。

 首相にとって、衆院選で派閥の政治資金問題を巡り、逆風が吹くのは織り込み済みだった。しかし、誤算だったのは、選挙戦終盤に非公認候補が代表を務める党支部にも2000万円の政党交付金を支給していたことが発覚したことだ。候補者からは「必死の戦いをしている時に、執行部から爆弾を投げつけられた」といった恨み節があふれた。

 首相は周囲に揺れ動く心情をのぞかせた。投開票日の27日午前には、議席の大幅減に危機感を強め、「立憲民主党が議席を伸ばし、国民民主党と一緒になれば、政権交代だ」と弱音を漏らした。それでも、首相は比較第1党は死守したことを受け、「ここで辞めるわけにいかない」と早々に続投の意向を固めた。

 森山幹事長ら党4役も全員留任させる考えだったものの、小泉進次郎選挙対策委員長が「誰一人責任を取らないのでは党内が収まらない」と異を唱え、辞任した。小泉氏は「全て私が責任を取る」と記者団に強調したが、執行部批判は噴出している。

 山口壮・元環境相は28日未明、兵庫県相生市の事務所で、首相の責任に関し、「即刻辞めてもらわないといけない」と記者団に訴えた。千葉県連会長の桜田義孝・元五輪相は記者会見で「議席をあれだけ減らした。退陣だ」と迫った。

 もっとも、首相と溝が深い旧安倍派は立候補者50人のうち当選は22人にとどまり、勢力をそがれた。自民内では、「夏の参院選前の首相交代は避けられない」(閣僚経験者)との見方が広がっているものの、現時点で倒閣運動につながるようなまとまった動きは出ていない。

 首相は「石破降ろし」のマグマが党内にたまる中、少数与党を率い、国民民主党などと政策ごとに連携を図る綱渡りの政権運営を迫られる。

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