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高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 兵庫県知事選の敗者はオールドメディア...SNSで民主主義が機能した2024年

J-CASTニュース / 2024年12月26日 17時0分

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 兵庫県知事選の敗者はオールドメディア...SNSで民主主義が機能した2024年

兵庫県知事選ではSNSも大きな役割を果たした(写真:アフロ)

2024年11月17日投開票の兵庫県知事選では、当初県議会に不信任決議を可決され圧倒的に不利とされた現職の斎藤元彦氏がSNSで復活し、まさかの圧勝だった。これは、斎藤氏を糾弾して不信任決議まで追い込んでいたオールドメディアの明らかな敗北だ。立花孝志氏というトリックスターが立候補したのが結果として斎藤氏の勝因だったが、SNSで立花氏が巻き起こした斎藤人気がなければ斎藤氏の勝利はなかっただろう。

今年の選挙では、オールドメディアとSNSの間に扱う内容が異なっているものがあり、オールドメディアは正しいことを語っていないと思われると、SNSのほうに爆発的な支持が出て、それが選挙結果に反映しているようだ。

斎藤氏の「おねだり、パワハラ」追及したオールドメディアにSNSで疑問符

兵庫県知事選では、オールドメディアは斎藤氏の「おねだり、パワハラ」を徹底的に追及した。ところが、今回はSNSでその疑惑に疑問符が付いた。

もちろん数的にはSNSはジャンクな情報が多いが、オールドメディアにない専門的な意見がある。誰でも発信手段を持っているために、オールドメディアで拾いきれない専門家が自ら発信するからだ。その上で、情報拡散も早いが、いろいろな人によるチェックも出るので修正も早い。一方、オールドメディアは誤報や不適切放送での修正スピードはイマイチだ。

それにしても、オールドメディアも必死だ。さほど勝算があると思えないPR会社問題で斎藤知事を公職選挙法違反へと期待する向きも一部にあるようだ。流石に告発が捜査当局に受理されたので、ワイドショーで連日取り上げるというわけにはいかず、放送もかなりフェードアウトしている。もっとも、立花氏への事情聴取は積極的に取り上げるなど、選挙結果を悔しく思う気持ちがオールドメディアにはまだあるようだ。いずれにしても、司法の場でスッキリ結論が出るのは、筆者としてオールドメディアが大した根拠もなく騒ぎ続けるより意味があると思っている。

「モリカケ」同様に疑惑ばかりでエビデンスが出てこない

オールドメディア側には、選挙においてSNSへの規制という考えもあるようだが、斎藤氏に対する「おねだり、パワハラ」放送もかなり酷かったことを忘れてはいけない。

県政もオールドメディアと似たような動きだ。斎藤知事に不信任を突きつけた百条委員会も以前と似たようなことを繰り返している。まるで安倍政権でのモリカケのようで、疑惑ばかりでエビデンスが出てこない。ただし、今は疑惑を追及される証人から、百条委員会の委員の疑惑を逆に指摘する動きでも出ており、興味深い。これはこれで健全な民主主義の議論ではないだろうか。筆者は、SNSでオールドメディアが正され、民主主義が機能してきていると思っている。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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