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「SNSで投稿するだけ」の副業広告、相談したら60万円要求も…20~30代女性のトラブル続発

読売新聞 / 2025年1月14日 15時0分

副業トラブルの主な特徴

 副業をうたうSNSの広告を見て応募し、トラブルに遭う人が後を絶たない。「SNSで投稿するだけ」などと簡単さをアピールする誘い文句が特徴で、サポート代と称して事前にお金を請求したり、途中で振り込みを求めたりする手口が大半だ。相談者は20~30歳代の女性が目立っており、消費者庁などが注意を呼びかけている。(竹田章紘)

目にとまった「稼げる副業あります」

 「稼げる副業あります」。昨年8月、福岡県に住む20歳代の看護師女性は、アカウントをフォローしていたインスタグラムの投稿に目がとまった。このアカウントではいつも、女性を名乗る人が看護系の情報を投稿していたため、「看護師をしながら自分も副業ができるかも」と、オンラインで相談してみることにした。

 相談相手は投稿主の女性だと思っていたところ、オンライン画面に出てきたのは同世代くらいの男性だった。「仕事は自分のインスタで企業の商品を紹介するだけ。うまくいけば月に何万円も稼げる」と言われ、半年間のサポート代などとして60万円を要求された。

 大半の支払いを済ませた数日後に不安になり、周囲に相談すると、「詐欺じゃないか」と言われた。契約書では返金に応じないとなっていたため、司法書士事務所に対応を依頼。返金は受けられたが、司法書士事務所への支払いもあり、思ったほど手元に戻ってこなかった。女性は「後悔しかない。いつも見ていたインスタからこんなことになるなんて」と肩を落とした。

副業トラブルに関する相談件数は急増

 「簡単な作業で稼げる」などとうたう副業トラブルに関する相談件数は、年々増加している。国民生活センターによると、2020年度に1341件だった相談件数は、23年度には約2・8倍の3700件に急増。24年度(4~11月)も2257件と前年度同期を上回るペースになっている。

 誘いの手口は様々で、「SNSの広告に『いいね』を押すだけ」や「動画を見るだけ」、「相談に乗るだけ」などと、簡単さや手軽さを強調するパターンが目立つ。実際に稼げることを信じさせるため、最初は数百円から数千円の報酬がもらえるケースもあるという。

 誘いに乗った後は、「成功のノウハウを教える」といった情報商材名目の教材費やサポート代を事前に請求されたり、途中から「高額報酬の仕事があるが事前に送金が必要」などと金銭の振り込みを要求されたりすることが多い。

相談者の8割が女性、目だつ若年層

 SNSが副業トラブルのきっかけになる割合は、20年度の23%から、24年度は72%に上昇している。相談者の約8割は女性で、若い女性が多いのも特徴だ。女性相談者のうち、約半数が20歳代で、30歳代も約16%を占める。

 埼玉県在住の30歳代の会社員女性は昨年6月、SNSで副業の広告を見つけた。フリーマーケットアプリに商品を出品する副業を紹介され、開業支援費などとして20万円払って始めた。ただ、言われた通りにやっても1個も売れず、報酬もなかったという。

 同センターは「スキマ時間を使って簡単に稼げるような広告は詐欺の可能性がある。相手方に住所や銀行口座など個人情報を明かすと悪用されることもあり、注意が必要。お金を請求されたら消費生活センターや消費者ホットライン(188番)に連絡してほしい」と呼びかけている。

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