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井上尚弥に挑むキム・イェジョン、「日本人キラー」に勝機はあるのか?...識者が指摘した「精神論」

J-CASTニュース / 2025年1月14日 15時19分

井上尚弥に挑むキム・イェジョン、「日本人キラー」に勝機はあるのか?...識者が指摘した「精神論」

井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)が、2025年1月24日に東京・有明アリーナでWBO同級11位キム・イェジョン(韓国、32)を相手に防衛戦を行う。

キムは日本人選手に7戦全勝

当初はWBO・IBF同級1位サム・グッドマン(オーストラリア、26)と対戦する予定だったが、グッドマンが24年12月に左目上をカットして延期に。1月24日に仕切り直しとなるはずだったが、グッドマンは再度、左目上を負傷して試合出場を断念した。

そのため、スポーツ紙の報道によると、大橋ジムはグッドマンのリザーブ選手として契約を結んでいたキムを挑戦者に決めた。

試合本番まで2週間を切っての対戦相手の変更。これは井上にとって、どのような影響を及ぼすのか。J-CASTニュース編集部は、数多くの世界戦をプロモートした経験を持つTMKジムの金平桂一郎会長(59)に話を聞いた。

急きょ、世界のリングに上がることになったキム。プロ戦績は通算21勝(13KO)2敗2分け。身長163センチで、右構えだが、サウスポーにスイッチすることもあるという。現在、日本人選手を相手に7戦全勝で、「日本人キラー」として存在感を示している。

世界戦の相手が直近に変更されることはレアケースとなる。だが、金平会長は「何の影響もないと思います」と言い切り、その理由について言及した。

「メディアの報道をみると、井上選手の陣営はキム選手が代理で出場することを、ある程度想定していたと思います。グッドマン選手が出場できなくなってからの一連の流れがスムーズでした。興行的には、グッドマン選手が出場するのが1番よかったが、グッドマン選手が出場できなくなったことや、キム選手が代理として出場することへの否定的な見解があまりみられない。想定内で話がまとまった感じがします」

キム「いつかは戦う相手として常に想定」

そして、こう続けた。

「もうひとつは、グッドマン選手でも、キム選手でも井上選手が圧勝することに変わりがないということ。おそらく興味を惹かれるのは、キム選手が日本人選手に対して7戦7勝という実績を残していることでしょう。ただ、井上選手の実力は日本人の『枠』ではない。だから日本人うんぬんかんぬんではない」

スポーツ紙の報道によると、キムは大橋ジムを通じ、「井上尚弥選手がスーパーバンタムに上げてから、いつかは戦う相手として常に想定しながら研究もしていました」などとコメント。井上戦に気合十分だが、金平会長は試合の展開を、こう予想した。

「キム選手がどれぐらい頑張れるか。スピード、パンチ力、すべての面で井上選手が何枚も上なのが分かっている。仮にグッドマン選手のままだったら、この予想が変わったかというとそうではない。井上選手の圧勝ということは変わらない。キム選手がタフで頑張る選手であることは分かっている。ただ、キム選手がいかに丈夫といっても、『井上選手の攻撃にどれくらい耐えられるのだろうか』ということしかない」

プロモーターとして数多くの世界戦をプロモートし、会長として戦略を練ってきた金平会長。今回、井上に対するキム陣営の戦略について、次のように分析した。

「スピードが違うから相打ちは考えられない。(ルイス)ネリのような破壊力のあるパンチを振るってくるわけでもない。そして、おそらく井上選手のパンチがよく当たると思います。だから、とくにかく毎ラウンド頑張ること。私がキム選手陣営のセコンドだったら、『相手が井上尚弥だと。とにかく1ラウンド、1ラウンド、このラウンドが最後のラウンドだと思って向かっていけと』。半ば精神論みたいな話をするしかない」

キム戦が25年の初戦となる井上。防衛に成功すれば、年内に米ラスベガス、サウジアラビアでの試合が計画されている。

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