インフル猛威 集団感染への警戒を強めたい
読売新聞 / 2025年1月15日 5時0分
全国でインフルエンザの猛威が止まらない。患者の急増によって、医療現場では検査キットや薬の不足が起きている。油断せずに基本的な感染対策を徹底したい。
インフルエンザの患者数は、昨年暮れの1週間で1医療機関あたり64・39人となり、警報レベルとされる30人を大きく上回った。現在の集計方法になった1999年以降、最多の数字である。
年末は会食や帰省など大勢で交流する機会が多く、流行に拍車がかかったようだ。年明けは、休診している医療機関が多かった影響で減少に転じたが、冬休みが終わって学校や職場が再開した今、再び感染が広がりかねない。
心配なのは、タミフルなどインフルエンザ治療薬の一部の製造が追いつかず、供給が一時停止されていることだ。メーカーは増産を急いでほしい。医師は患者によく説明し、効き目が同等の他の薬を処方することも必要だ。
国や都道府県は治療薬を備蓄している。薬の不足が深刻化した場合には速やかに活用すべきだ。
新型コロナウイルスの流行が深刻だった頃は、感染対策が徹底され、インフルエンザの流行はなかった。このため免疫力が低下した人が多く、大規模な感染拡大につながった面もある。
特に注意しなければならないのは、高齢者施設や病院での集団感染だ。お年寄りは肺炎など重い症状を起こすリスクが高い。
感染予防にはまず、ワクチン接種が肝心となる。高齢者施設などで感染者が出たら、発症していない人に治療薬を予防的に投与する方法も選択肢になる。
小さな子どもは、インフルエンザによる脳症で死亡例があった。
新型コロナの患者が国内で初めて確認されてから、15日で5年となる。時間がたち警戒感はすっかり薄れているが、今も流行が続いていることに変わりはない。
手洗いや人が集まる場所でのマスク着用、部屋の換気や加湿など基本的な感染対策を、この機会に再点検してはどうか。
中国では、風邪の症状を起こすヒトメタニューモウイルスの急拡大が伝えられている。以前からあるウイルスだが、日本でも感染動向を注視することが大切だ。
今週末には大学入学共通テストが行われる。受験生や家族は基本的な感染対策のほか、十分な睡眠と栄養補給を心がけ、後悔のないよう備えてほしい。
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