米国防長官候補、「中国は脅威の中心的存在」…日本など同盟国との連携重視する姿勢
読売新聞 / 2025年1月15日 13時0分
【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ次期大統領が指名した閣僚候補に対する上院委員会での指名承認公聴会が14日、始まった。国防長官に指名された元保守系FOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏は、日本など同盟国との連携を重視し、中国に対抗する姿勢を鮮明にした。
公聴会でヘグセス氏は、「友好国や同盟国と協力し、インド太平洋地域で中国の侵略を抑止する」と表明し、多国間連携に取り組む考えを示した。中国については、「脅威の中心的な存在だ」と位置づけた。
トランプ氏が掲げる「力による平和」を実現するため、「核の近代化に投資しないといけない」と述べ、米国の核抑止力を強化する必要性を訴えた。中国とロシアについて、「核兵器の近代化と製造を急いでいる」と危機感を示した。
ロシアが侵略するウクライナを巡り、トランプ氏はプーチン露大統領との会談を含め停戦の早期実現に意欲を示している。ヘグセス氏は「ウクライナができるだけ有利になるように戦争を終わらせる必要がある」と述べ、トランプ氏について「戦争を断固として終わらせる人物だ」と語った。
ヘグセス氏は陸軍州兵としてアフガニスタンやイラクなどに駐留した経験があるが、政府や軍の要職に就いたことはなく、手腕を疑問視する見方は根強い。
この日は出席議員から10か国で構成する東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国数を尋ねられ、答えられない場面もあった。米メディアが報じた過去の性的スキャンダルを問われると、自身の潔白を主張した。
共和党のトランプ氏が指名した閣僚候補が就任するには、上院委員会での審議・承認を経て、本会議の採決で過半数の賛成を得る必要がある。上院(定数100)は共和党53、民主党系47で、議席数の差はわずかとなっている。
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