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三菱UFJ元行員、金塊や現金を盗んでは穴埋めする「自転車操業」…60人超が17億円被害か

読売新聞 / 2025年1月15日 11時22分

練馬署を出る今村由香理容疑者(15日)=野口哲司撮影

 三菱UFJ銀行の貸金庫から金塊約20キロ(約2億6000万円相当)が盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された元行員の今村由香理容疑者(46)が、金塊を質店で現金化し、別の被害品の穴埋めをしていたことが、警視庁幹部への取材でわかった。約4年半にわたり、60人以上の顧客の金塊や現金(総額約17億円)を盗んでは穴埋めする自転車操業を続けていたとみている。

 警視庁幹部によると、今村容疑者は昨年9月頃、東京都練馬区の練馬支店で、管理業務を担当していた貸金庫から顧客2人が預けていた金塊約20キロを顧客鍵の「予備鍵」などを使って盗んだとして、14日に逮捕された。容疑を認めている。

 被害品の金塊は都内など計7か所の質店に持ち込み、約1億7000万円を借り入れていた。逮捕前の任意の調べには、「別の客から盗んだ被害品の補填ほてんに充てた」などと供述していた。

 今村容疑者のスマートフォンには、貸金庫内の金塊などを撮影した画像が記録されており、警視庁は顧客の訪問に備えて原状回復することで、発覚を免れようとしていたとみている。

 今村容疑者は2008年頃から競馬などにのめり込み、13年には東京地裁に民事再生手続きを申請し、適用されていた。その後、少なくとも5年以上前からFX(外国為替証拠金)取引を繰り返し、約10億円の損失を出すなどして、借金も抱えていた。

 事件は顧客からの問い合わせで昨年10月末に発覚。同行は同11月、今村容疑者を懲戒解雇とし、翌12月に警視庁に告発していた。

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