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史上初めて拘束された韓国大統領、公捜庁に到着…「うその公文書発行された」と批判

読売新聞 / 2025年1月15日 12時9分

15日、ソウル近郊の公捜庁に入る尹大統領=AP

 【ソウル=依田和彩、小池和樹】韓国の尹錫悦ユンソンニョル大統領の戒厳令宣布を巡り、内乱容疑などで捜査している高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)や警察などの合同捜査本部は15日、尹氏の拘束令状を執行したと発表した。同日午前、身柄拘束のためソウル市内の大統領公邸敷地内に捜査員が進入していた。韓国で現職大統領の拘束は史上初めて。

 15日午前10時35分頃、尹氏を乗せたとみられる車両を含む車列が公邸を出発し、同50分頃にソウル近郊の公捜庁の庁舎に到着した。

 尹氏は令状執行後、弁護団を通じて声明を発表した。尹氏は「捜査機関がうその公文書を発行」したと批判した上で「韓国の憲法と法体系を守らなければならない大統領として、違法で無効な手続きに応じることはこれを認めることではなく、望ましくない流血事態を防ぐためだ」と強調した。

 合同捜査本部は、昨年12月3日夜に戒厳令を出した尹氏が軍や警察を国会に動員して政治家らを逮捕しようとするなど、内乱罪に当たる行為を首謀したとして捜査を進める。48時間以内に、最長20日の身柄拘束が可能になる逮捕状を請求するかどうかを判断する。

 韓国の憲法は内乱罪に関し、大統領が在職中、訴追を免れる不訴追特権の例外としている。内乱罪は憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした場合に適用される。首謀者と認定されれば、死刑または無期懲役か無期の禁錮刑が科される。

 韓国・聯合ニュースによると、合同捜査本部は15日午前4時30分前、公邸前に到着した。午前5時10分頃、公邸前で尹氏の弁護士らに拘束令状を示したが、阻止しようとする大統領警護庁とのにらみ合いが続いた。

 午前7時半頃には警察官らがはしごを使って、警護庁がバリケードとして設置した大型バスも乗り越えて、公邸敷地内に進入した。拘束令状は午前10時33分に執行された。

 中央日報(電子版)などによると、今回の拘束令状執行には警察官約1000人が招集された。合同捜査本部は3日に初めて拘束令状の執行を試みた際、警護庁に阻止されて約5時間半で断念したため、今回は態勢を強化して臨んだ。

 大統領権限を代行する崔相穆チェサンモク副首相兼企画財政相は15日、尹氏の拘束令状執行に先立ち、声明を発表し「不幸な事態が発生した場合、大統領権限代行として厳重に責任を問う」として捜査本部と警護庁による衝突の回避を呼びかけていた。

 合同捜査本部は6日に1回目の拘束令状の期限が切れたことから、ソウル西部地裁に令状を再請求し、発付を受けていた。警察は尹氏の拘束を妨害した特殊公務執行妨害容疑で拘束令状をとっている大統領警護庁の金声勲キムソンフン次長についても拘束する方針だ。

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