1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

[棋聖戦コラム]七番勝負第1局で新聞解説を務める許家元九段、復調の陰に一力遼棋聖の存在あり

読売新聞 / 2025年1月17日 14時25分

対局1日目の午後にはおやつも試食した

 七大タイトルを分け合う一力遼棋聖(27)(名人、天元、本因坊)と井山裕太王座(35)(碁聖、十段)による頂上対決となった第49期棋聖戦七番勝負。16日に開幕した注目の第1局で、新聞解説を務めるのは、碁聖1期、十段2期の実績を誇る許家元九段(27)だ。今月9日には十段戦本戦準々決勝で一力棋聖を下した。

試練の2024年、一力棋聖・井山王座・芝野九段に1勝もできず

 そんな許九段にとって、昨年は試練の年となった。2018年から続いていた七大タイトルへの挑戦が途絶え、タイトルを保持していた一力棋聖、井山王座、芝野虎丸九段(25)の3人に計7戦して1勝もできなかった。天元戦、十段戦では挑戦者決定戦に進出したが、いずれも敗退した。持ち時間が日本より少ない国際棋戦に標準を合わせる中、国内棋戦では感覚に微妙なずれが生じていたようだ。

「応氏杯」では一力棋聖に同行、国際棋戦優勝の快挙支える

 復調のきっかけは、一力棋聖だった。中国で昨年行われた「応氏杯」では一力棋聖に同行し、通訳兼研究相手として、日本勢として19年ぶりとなる主要国際棋戦優勝に貢献した。「20年近く日本勢が国際棋戦で優勝できない中、負けても実力差があるからと後ろ向きになっていた」と振り返り、「一力棋聖の優勝で、『自分も力を出し切れば、勝てない相手はいない』と思えるようになった」。

「そんなに形勢を悲観しなくていい」…その一言で目覚めた

 昨年11月には、別の国際棋戦に臨む一力棋聖と練習で2局打った。いずれも途中から形勢に自信を持てずに敗れたが、「そんなに形勢を悲観しなくていい」と、一力棋聖から終局後に声をかけられた。「結果が出ない中、無意識に自信を失っていた」と気づき、非勢でも最後まで諦めないよう気持ちを改めると、調子も徐々に上がってきた。

 その快活さで多くの人に愛される一方、盤面をにらむ様相は鬼のように厳しい。そんな雄姿を番勝負の舞台で再び見られる時は近いだろう。(文化部 江口武志)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください