現役最多勝の競輪選手・小嶋敬二さん、55歳で上位クラス復帰…「転んでも走り続ける姿が後輩のためになる」
読売新聞 / 2025年2月2日 20時5分
金沢市在住の小嶋敬二さん(55)が今季から現役最多勝の競輪選手として戦っている。レースの成績が階級や収入に直結する厳しい世界で、50歳代半ばにして上位クラスに復帰した。約40年にわたる競技人生を支えるのが、毎日のトレーニングや肉体強化への飽くなき探究心だ。(石塚人生)
金沢で生まれ育った小嶋さんは金沢高校入学後に自転車競技を始めた。1キロ・メートルを単独で走るタイムトライアルを得意とし、高校3年の高校総体や国体で優勝。日本大学を卒業後、1992年のバルセロナ五輪に2種目で出場した。
だが、同五輪や世界選手権などの国際大会では3戦連続で10位となり、「世界のトップと戦うのは厳しいと感じた」。94年から国内の競輪に転向した。
太ももは成人男性の腹囲並みの74センチ。そこから生み出される圧倒的なパワーですぐに頭角を現し、特別競輪など大レースでも勝利を重ねた。2008~10年にはごく一部の選手しかなれない最上位のS級S班に所属した。
現在の勝利数は841。昨年末に909勝だった神山雄一郎さん(4月から日本競輪選手養成所長)が引退したため、小嶋さんが現役の最多勝選手になった。「神山さんは1学年上であこがれの人。今度は自分が最多勝に恥じないように頑張りたい」と意気込む。
今も午前中2~3時間の練習を毎日欠かさない。自宅には約20年前に低酸素室を作り、そこでトレーニングして心肺を鍛える。五輪を目指していた頃、強豪のオーストラリアのチームに所属し、世界のトップクラスの選手たちと人脈を築いた。「世界の国代表チームのコーチたちと今も情報交換している。最新のトレーニングや機材の話を聞くとわくわくする」
トレーニングにも機材にもこだわりぬいている。自転車の最適な乗車ポジションを測定できる機器を導入したところ、成績が上向いた。今季は6階級のうち上から3番目のS級2班に昇格した。
初戦は1月中旬、和歌山県でのレースだった。前を走る選手の転倒に巻き込まれ、バンクに背中からたたきつけられたが、幸い大きなけがはなかった。「転んでも走り続ける姿、挑戦し続ける姿を見せることが後輩たちのためになる。自分のことが目標だと言ってもらえるよう努力を続けたい」。限界まで挑戦できる喜びを感じながら今季に臨む。
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