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脳死判定から臓器摘出、経験豊富な拠点施設が医療機関をオンライン支援…厚労省がシステム配備

読売新聞 / 2025年2月3日 15時0分

 厚生労働省は、脳死下の臓器提供の経験が豊富な25の拠点施設と、経験の浅い約70の医療機関をオンラインで結び、遠隔で脳死判定などを支援するシステムの配備に今年から着手した。経験が浅い医療機関は、患者家族への説明や脳死判定で対応に迷いがちだ。拠点施設の医師が状況を同時進行で確認しながら、こまめに助言することで、円滑に脳死判定を進め、臓器提供の増加につなげる狙いがある。関連経費5億2000万円を昨年12月に成立した今年度補正予算に計上した。

 厚労省によると、国内で臓器提供が可能な約900の医療機関のうち、実際に提供経験があるのは3分の1の約300にとどまっている。医療機関によっては、家族への対応や脳死判定などのノウハウが十分でなく、臓器提供の実施に後ろ向きになりがちとされる。

 こうした医療機関を支援するため、厚労省は、臓器提供を行う人員や経験が不足している約70の医療機関に、遠隔操作で最大70倍のズームが可能な高精細のカメラとスピーカーを搭載した機器を配備する。

 支援を受ける医療機関に脳死の可能性がある患者がいる場合、連携する大学病院など地域の拠点施設の医師とオンラインでつなぎ、患者の様子や脳波のデータなどを即時に共有する。拠点施設の医師は、機器から送られてくる画像やデータを確認しながら、脳死判定から臓器摘出まで必要な手続きを助言し、支援を受ける医療機関が判断する。摘出した臓器が移植に適するかの評価にも活用する。

 臓器提供は、患者の脳全体の機能が失われ、回復する可能性がない脳死と判断された場合、医療機関が終末期医療の一つの選択肢として患者家族に提示し、同意を得られた際に行われる。

 医療機関による家族への対応では、「患者に回復の見込みがないことに家族の理解が得られているか」や、「家族に臓器提供を積極的に勧めない」などの注意点がある。臓器移植法に基づく法的脳死判定の手順は厳格に定められており、深い昏睡こんすい状態にある、瞳孔の拡大・固定が見られるなどの項目を医師が2回確認する必要がある。

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