世界最大の政府系ファンド、透明性向上へ株主総会の投票理由公開へ
ロイター / 2020年5月21日 0時30分
世界最大のノルウェー政府系ファンドを運営するノルウェー銀行インベストメント・マネジメントは20日、株主として総会で取締役会の提言に反対した場合、その理由を説明することで透明性を高めると述べた。オスロで2017年6月撮影(2020年 ロイター/Ints Kalnins)
[オスロ 20日 ロイター] - 1兆ドルの資産を保有する世界最大のノルウェー政府系ファンドを運営するノルウェー銀行インベストメント・マネジメント(NBIM)は20日、株主として総会で取締役会の提言に反対した場合、その理由を説明することで透明性を高めると述べた。
NBIMのポートフォリオの約70%が株式。約9200社に投資しており、世界で上場している企業の1.5%の株式を保有する。
NBIMは、株主総会では大半の場合、取締役会の提言を支持するが、常にそうする訳ではないと指摘。
企業統治の最高責任者、カリーヌ・スミス・イヘナチョ氏は「取締役会の提言に反対した場合、企業や一般の人がその理由を理解することには意味がある」と述べた。
NBIMは既に、支持した提言と反対した提言を公表しているが、理由を説明することは少なかった。20日以降は「賛否の理由を株主総会の翌日に公表する」とした。
また、ファンドの姿勢を明確にするため、取締役会の独立性やさまざまな株式の種別、株式発行に関する株主権利、関係者間取引の4つの方針説明書を公表した。
イヘナチョ氏は企業に対し、投票の効率性を上げることを呼び掛けた。「いくつかの市場ではまだ手作業で投票しているほか、複数の仲介者が入っていたり電子化が進んでいなかったりする」と指摘。「必要な情報にアクセスするほか、改善策を提案し、良質な電子投票システムを開発し、構造を現代化するために発行者や投資家、事業関係者、規制当局が協力することを望む」とした。
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