ロシア凍結資産からの収入、ウクライナの武器調達資金に EUが加盟国に提案へ
ロイター / 2024年3月20日 11時54分
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は19日、経済制裁によって欧州で凍結されたロシアの資産が生む利息などの収入について、EUが90%を徴収した上で、ウクライナに武器調達資金を提供する「欧州平和ファシリティー(EPF)」に移すべきだとの考えを示した。18日撮影(2024年 ロイター/Johanna Geron)
Andrew Gray
[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は19日、経済制裁によって欧州で凍結されたロシアの資産が生む利息などの収入について、EUが90%を徴収した上で、ウクライナに武器調達資金を提供する「欧州平和ファシリティー(EPF)」に移すべきだとの考えを示した。
ボレル氏は記者団に対し、21日と22日の両日に開かれるEU首脳会議に先立ち、加盟27カ国の政府に対して20日に正式提案すると述べた。
また、ロシアの凍結資産からの収入は年30億ユーロと指摘、「並外れて大きくはないが、無視もできない」金額との認識を示した。
複数の当局者によると、首脳会議ではこの案を決定せず、暫定的な意見交換を行う可能性が高いという。
西側で凍結されたロシアの資産の約70%は欧州の債券決済機関ユーロクリアが保管。ロシア中央銀行の有価証券や現金など1900億ユーロ(約2061億ドル)に相当する。EU高官は先週、こうした凍結資産が金利動向次第で2027年までに150億─200億ユーロの税引き後利益を生む可能性を指摘した。
EU当局者は当初、凍結資産が生む収入をウクライナの復興資金に充てる方向で協議していた。ただ、ウクライナが弾薬不足でロシアの攻勢に押される半面、米議会でウクライナ軍事支援の継続を承認するめどが立っていないことから、ここ数週間は軍事支援を重視する動きが強まっている。
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